2年前のフジロックから始まった旅
2年前の英語版エクスプレスにて書かれた「200ガロンのジャックダニエルと2000ケースのタバコを吸ってつくりあげた声」の一文は、一部の間で話題となりました。振り絞るかのように発せられるタエコ嬢の声色に対する最大限の賛辞が、大げさにも感じる表現を選ばせたのでしょう。そんな、見る者をブルースの世界に引きずりこむT字路sのお二人にお話を聞いてきました。
伊藤妙子(以下、妙)&篠田智仁(以下、篠):(プシュッ…!)はぁあぁぁ…お疲れさまでした!
-(笑)お疲れさまでした。まずは2年前の出演からお聞かせください。
妙:2年前は結成から1年足らずだったので、「自分たちが出ていいんだろうか?」という感じだったんです。
篠:無我夢中だったなぁ…。
妙:そう、無我夢中。出演の2週間前からソワソワして、「はぁ、もう逃げ出したい…」という気分だったんですけど、ステージにあがった途端にパッと緊張が解けて。
-それは「プロ根性」というやつですかね?
篠:そうなのかな(笑)あのときの出演は夜で、暗かったじゃない?だけど、人だかりがどんどん増えて「景色」が変わっていったのはよく覚えていますね。はっきりとは見えていないんだけど…特別な感じはあったなぁ。
妙:そうそう、木々の間にポッと顔が出てくる感じ。人影が増えていくのを感じて、そのうちにだんだんと歓声も大きくなって…夢心地でしたね。
-2年前を踏まえたうえで、今年の感触はどうでした?
妙:2年前の苗場食堂に出たあとからずーっとツアーが続いて、また苗場に戻ってきた感じなんだよね。
篠:あれからずっと武者修行のような感じでツアーをしてきたからね。確かに一回も止まったような感じはなくて。
-日本を何周かして、また苗場に戻ってきたと。
妙:そうなんです。今回は苗場食堂から始まった旅の続き。いろんなところをまわってきた結果、苗場に帰ってこれて、この場所でようやく地に足がついたライヴができたのかな、という気がします。
-曲も増えてますね。
妙:曲も増えたね(笑)
篠:2年前は持ち曲を全部やったという感じだったからね。
-出演したジプシー・アヴァロンというステージそのものの感触はどうでしたか?
妙:すごく良かったし、やる前から楽しかった。あのステージは独特じゃないですか?
-そうですね。自然エネルギーでライヴの電気を作りますし、斜面があったりと他のステージとは違う要素がたくさんあります。
篠:バイオディーゼルはとてもいいね!
妙:そうそう、(バイオディーゼルは)自分の考えに合っているし、森が迫ってくるような感じとか、傾斜があってお客さんがすべて見渡せるところとかも良かったです。お客さんを坂の下から上までずーっと見ていけば、その先に空があるんです。
篠:あれはよかったね。全てが繋がっているようで、ピースな気分になるなぁ。
妙:気持ちよかったですよ!
_お客さんもどんどん増えていきましたね。今回の出演を機に、また新しい視点が生まれてくるかもしれませんね。
妙:そうですね。前回は二人だったけれども、今回はサポートでサックスとキーボードが入って「チーム」として一丸となっていた気がします。みんなに支えてもらって出来上がっているというか。
篠:ほんとそうだね。もうね、フジロックのおかげで今があるし、これからもまた帰ってこれたらいいなと思ってますよ。特にアヴァロン、あそこって「T字路」になってるよね。
妙:T字路だねぇ(笑)
ロバート・ジョンソンの「クロスロード」ではないですが、T字路にはブルースのイロハが転がっているようですよ。再び旅を始めたT字路sの今後にも注目です!
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