GREEN STAGE 7/23 SAT TAGS : LIVE REPORT 7/23 SAT GREEN STAGE

BECK

LIVE REPORT

ゴージャズに追悼

すごい人混みである。すっかり日が暮れて暗くなり、肌寒くなってきたグリーンステージ。この日のヘッドライナーはベックである。この後も出演するバンドはあるけど。

開演前、グリーンステージに詰めかけている人たちが今か今かと待ち構えている。2分前から歓声を上げるくらいだ。ベックは大きなドットのシャツにジャケットといういでたち。まずは、「Devil’s Haircut」で始まる。ハードなギターが響き、一発目からスタジアム仕様の音を作ってきているんだなということがわかる。ステージ背後のスクリーンにはいろんな数字が映し出されている。続く「Black Tambourine」ではスクリーンに幾何学的な模様が映る。スタジアム仕様の重たい感じはかわらず。ステージ前に詰めかけた人たちは手拍子で応える。そして、フジロックの20周年に触れてから3曲目にまさかの「Loser」。最近のセットリストでは中盤から後半で演奏されることが多いアンセムが早くも披露されグリーンステージ全体がどよめき、歓喜に包まれた。そして、サビの「俺は負け犬、さっさと殺せば?」という意味の歌詞をお客さんたちに大合唱させる。

「New Pollution」「Guero」「Mixed Bizness」あたりまでが、ハードで従来よりテンポを速めた曲が多くグリーンステージのスケールに相応しいものになっていた。「Think I’m in Love」では、ドナ・サマーの「I Feel Love」をメドレーで演奏する。

 前半飛ばして中盤はじっくり聴かせる構成なのかライヴ中盤にはアコースティック・ギターを中心にした音作りをした曲が多かった。いろんな面を持つベックの「歌心」という面をみせてくれる。特に「Lost Cause」「Heart is a Drum」「Paper Tiger」「Blue Moon」など『Sea Change』『Morning Phase』からの曲は味わい深く沁みた。コーギスのカヴァーで「Everybody’s Got To Learn Sometime」をやったあと、新曲「Dreams」からは再び派手なアゲ路線に。テンポ速い「Sexx Laws」、ハードな「E-Pro」で本編が終了した。
 
 アンコールに応えて登場したベックは、白いハットに白いスーツに着替え、まずは「Debra」ファルセットで歌われるムーディでソウルフルな曲。1998年のフジロックではこの曲がハイライトだった。それを思い出させてくれる。そしてラストは「Where It’s At」。盛り上がりをみせる。メンバー紹介のコーナーではベーシストでシック「Good Times」、ギターのジェイソン・フォークナーを紹介するときはデヴィッド・ボウイの「China Girl」を、キーボードのロジャー・マニングのときはクラフトワークの「Home Computer」、ドラマーはプリンスの「1999」という具合にカヴァーを次々と演奏していった。再び「Where It’s At」に戻り新幹線に乗りたいベックはステージを後にしたのだった。

セットリスト(原文のまま)
Devil’s Haircut
Black Tambourine
Loser
New Pollution
Guero
Mixed Bizness
Hell Yes
Soul of a Man
Think I’m in Love
Go it Alone
Lost Cause
Heart is a Drum
Papper Tiger
Blue Moon
Everybody’s Gotta
Dreams
Girl
Sexx Laws
E-Pro
Debra
Where it’s At

Text by イケダノブユキ Posted on 2016.7.24 22:39