LIVE REPORT WHITE STAGE 7/28 FRI

THE BACK HORN

雨は、彼らの味方である

開演少し前に「ドラゴンドラでは雨がすごい」なんて情報が入ってきたものだから、「いやいや、山の上だけでしょ」なんて思っていたが、あっという間に土砂降りに。ステージに登場したTHE BACK HORN、山田将司(vo)は「ああ、雨が…」とつぶやき、“ブラックホールバースデイ”でスタート。“戦う君よ”に移ったころには大粒の雨になっていた。

歌われる「何故君は行く/傷つき倒れても/高鳴る熱い思いを忘れはしない」という歌詞の内容と、手を伸ばし熱く歌い上げる様子。これらがなんだかに雨にマッチしていて、綺麗だった。感動してしまった。THE BACK HORNとオーディエンスはそのとき、間違いなく雨と戦っていたんだと思う。そういえば2013年のナイン・インチ・ネイルズのライヴは、雷雨がすごくて、まるで演出かのような雷が綺麗だったと、話題になっていたよなあ。今回のTHE BACK HORNのライヴには、それを思い出させるものがあった。

最初、彼らは「雨の力も借りながらライヴを…」とMCしていたのだが、完全に主導権は彼らだったと思う。“美しい名前”が終わったあたりでこの雨は止みだし、終盤は新曲“孤独を繋いで”、そしてキリキリとタイトに鳴らされるあのイントロに大歓声!“コバルトブルー”で大合唱し、そのままなだれ込むように“シンフォニア”、“刃”と、オーディエンスのテンションは上がりっぱなしであっという間にフィナーレへ。雨が上がったと思いきや、この名曲揃い。フジロックとの付き合いが長い彼らだけど、こんなにドラマチックなステージは初めてだったかもしれない。そんな彼らは来年、結成20周年を迎えるよう。20周年への助走にふさわしい、最高のライヴを披露してくれたと思う。

 Photo by 平川啓子  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.28 15:00