LIVE REPORT WHITE STAGE 7/28 FRI

QUEENS OF THE STONE AGE

祝・来日! 伝説、見届けました

フジロッカーお待ちかね!フジロック2002で初来日、その後2003年の単独公演から3度のキャンセル、つまり14年間、一度も来日していない、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(通称QOTSA)がついに、ついに~、来日!開催までの数カ月間、ファンの間では「本当に来日するのか」という話題で持ち切りに。近年、キャンセル続きの某アーティストがついに来日なんてこともあったわけで、その流れで今回も!と、待ち続けていて本当によかった。

開演10分前、ホワイトステージに集まったオーディエンスは今か今かと、その時を待っている様子。特にモッシュピットはぎゅうぎゅうで、twitterを覗くと「QOTSAは絶対前で観る!」なんてツイートもよく見かけるほど。定刻になると、スモークが焚かれたステージにぽつり、ぽつりと人影が揃い、一曲目は“Millionaire”!ギターのあのフレーズが始まった瞬間の、あと盛り上がりといったら!音を次第に重ねっていて、ジョシュ・オム(vo,gt,piano)の歌声に行き着いた瞬間、オーディエンスはついに、QOTSA来日を実感したことだと思う。映像の演出はないものの、全体を通して赤で統一された照明も、彼らの存在をよりはっきりとさせていた。

そして、“No One Knows”へ。周囲が「チャッチャッチャーララ、チャッチャーララ!」と思わずあのリフを口ずさむのだが、目の前で鳴らされている音はガッチガチに硬いリズムというよりは、ほどよく角が丸まっているのには驚いた。こっちのほうが断然とっつきやすく、騒ぎやすい気がする。“Monsters In The Parasol”ではジョシュの太く独特な歌声から美しいファルセットまでをたっぷりと堪能。“Smooth Sailing”ではトロイ・ヴァン・リューウェン(gt,vo.key)のゴリゴリと荒削りに炸裂するギターと、ジョシュが体をくねらせる独特なダンスが印象的だった。また、“Feel Good Hit of the Summer”でゴリラズのカヴァーを披露する一面も。ゴリラズもいいけど、QOTSAいいよねという感じ?それは愛なのか、それ以外を意味するのかは判断が難しかった。

中盤~後半は、“If I Had a Tail”は完全にダンスミュージックとして機能していたし、ジョン・セオドア(dr)による弾丸を打ち込むようなドラミングが印象的だった“First It Giveth”など、生で目撃しないと発見できない彼らの側面を体感。その後“Make It Wit Chu”、“My God Is The Sun”と続き、ラストは“A Song for the Dead”で、モッシュピットの勢いは頂点へ!モニターにも映るくらいの暴れっぷりは、この日一番のものだったんじゃないかと思う。

まだまだ暴れたいところだけど、残念ながらアンコールはなし!しかし、筆者的にセットリストの満足感は高く、14年蓄積された伝説をここで見届けられたことも含め、充分なボリュームだったと思う。今日、たまたま彼らを目撃した若い人とかが彼らにハマって、次の来日を期待したりとか、そういう未来もあると面白いと思う。またぜひ、日本に!

 Photo by 平川啓子  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.28 21:00