Yogee New Waves
朝イチのヘヴンに小さな奇跡
今年最初のフィールド・オブ・ヘヴンでのライヴが始まろうとしている。出演するのは、4人組バンド、YOGEE NEW WAVES。SUCHMOSのブレイクによって、一般層にも知られるようになった“シティ・ポップ”の大本命と言われるのが彼らである。2014年のルーキー・ア・ゴー・ゴーでフジロックデビューを飾っている彼らだが、場内ステージでのパフォーマンスは初めて。予てからフロントマンの角舘健悟(Vo, G)は「フジロック(場内ステージに)出るなら是非フィールド・オブ・ヘヴンに出たい」と口にしていたという。そんな念願叶っての”初フィールド・オブ・ヘヴン”でのライヴがこれから始まろうとしている。
時間は10:40。まだ開演まで時間があるのだが、バンドメンバーである角舘健悟(Vo, G)、粕谷哲司(Dr)、竹村郁哉(G)、上野恒星(B)、彼ら自らがしっかりとしたリハ(というかほとんど本番に近いプレイ)を行なっている。そんなこともあって、ヘブンに集まっているオーディエンスは本番さながらの盛り上がりを見せた。リハが終わり、メンバーは一旦退場し、開演時間である11時10分に改めてYOGEE NEW WAVES登場。
1曲目、緩めのグルーヴが心地よい“Megumi no Amen”からスタートしたのだが、途中から小雨が降り出した。思わず「“Megumi no Ame・・・n”!奇跡か!」と突っ込みが入れたくなってしまうほどジャストなタイミングで起きた小さな奇跡に、バンドメンバーとオーディエンスの表情にも思わず笑みが浮ぶ。雨は曲終わりと共に止み、ギター・ヴォーカルである角舘も「本当に降っちゃったね」と再び笑顔に。まさか1曲目にこんな事態でハッピーな気分になれるとは思わなかった。雨も止み、仕切り直しの2曲目は、思わず横ノリで踊りたくなってしまう“Good Bye”。さらに緩やかで軽快なグルーヴ感のある“Ride on Wave”と続き、セットリスト折り返し地点となる“World is Mine”では、それまで空を埋め尽くしていた雲の隙間から光が差し込んできた。曲演奏後、角舘が再びMCで「この曲は“雲を逃す”曲だからさ。(オーディエンスに向けて)よかったね。」。
今回のステージは、ファーストアルバム『PARAISO』と今年5月にリリースされたセカンドアルバム『WAVES』から、満遍なく構成されたセットリスト。全8曲と決して多いとは言えない曲数ではあったけれど、角舘のエモーショナルなヴォーカルに胸が熱くなるシーンは数数えきれずあったし、曲中にピッチを絶妙に変化させるなどの緩急のある演奏に「そうくるか!」と嬉しい驚きもたくさんもらったし、ひたすら濃密なステージだった。
そして、ラストの“HOW DO YOU FEEL?”が終わる頃には、あれだけあった雲がほとんど無くなり、ヘヴンのフィールドには温かい日が射していた。
<セットリスト>
Megumi no Amen
Good Bye
Ride on Wave
World is Mine
Climax Night
Like Sixteen Candles
Dreamin’ Boy
HOW DO YOU FEEL?