サンボマスター
彼らにしかない“ソウル(魂)”
フジロック2日目は雨のスタート。開演前のグリーン・ステージには忌野清志郎の歌う“田舎へ行こう”が流れていて、雨の中今日最初のアクトを待ちわびているオーディエンスが体を揺らしながら聞いている。雨も含めてなんともフジロックらしいいい光景だ。
11:00ほぼ定刻、ゆっくりとせり上がるバックドロップ、そこにはまるで溶けたようなフォントで「SAMBO MASTER」の文字。そして、エレクトロサイケなイントロかのゴダイゴ”モンキー・マジック”をBGMにメンバーがステージに登場!山口隆(Vo./G)、近藤洋一(B)、木内泰史(Gt)のメンバー3人が定位置に立ち、山口の「ムチャクチャやって帰ります!!」の号令とともに、サンボマスター10年ぶりのフジロックでのライヴがスタートした!
ルーキー出演時にもプレイされた“そのぬくもりに用がある”でスタートした今日のセットは、サンボマスター初心者から上級者まで、グリーンにいるオーディエンスのテンションをに速攻に上げ、同時に笑顔にした。山口の時間の余白を許さないマシンガンMCもあいまって、オーディエンスのテンションはさらに上がっていく。モッシュサークルも“世界をかえさせておくれよ”、“青春狂騒曲”・・・と幾度となくいろんな場所で発生。皆んな本当に心からロックンロールを楽しんでいる。”月に咲く花のようになるの”では、途中の歌詞を”今夜はブギーバック”の一節に変えて熱唱。
そしてハイライトはラスト1曲前に訪れる。山口が(珍しく)普通の語り口でカウントダウンを始める。「18、17、16・・・」。途中で突然感極まる山口の姿もあったが、続くカウントダウンは0に近づくたびに熱いシャウトに変わっていき「ゼロ」と共に、彼らの最大のアンセム“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”が始まった。古くからのサンボファンはもちろん一般層にも広がっているこの曲で、グリーン・ステージにはこの日最大のモッシュサークルが発生。ラストは山口の「約束してくれないか また来るからよ おまえたちロックンロールだぜ だから生きてくれ」のMCと共に“ロックンロール イズ ノット デッド”を全力パフォーマンスでやり切っていった。
日本には数多くのロックバンドが存在するが、彼らには彼らにしかない“ソウル(魂)”がある。彼らの鳴らす「ロックンロール・ソウルミュージック」はみんなを笑顔にし、胸を熱くしてくれる。終演後、カーティス・メイフィールドの“Move On Up”をアウトロにオーディエンスと記念撮影をしている光景にもまた、僕は胸を打たれた。最高だよ、ロックンロール!
<セットリスト>
そのぬくもりに用がある
世界をかえさせておくれよ
オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで
青春狂騒曲
月に咲く花のようになるの
歌声よおこれ
ミラクルをキミとおこしたいんです
できっこないを やらなくちゃ
世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
ロックンロール イズ ノットデッド