LIVE REPORT WHITE STAGE 7/29 SAT

DEATH GRIPS

地蔵にギロチン

痛快だった。ホワイトステージではこの後、伝説となるだろう小沢健二の登場である。それ目当ての人たちがあらかじめ多くを占めていた。そこに裸の黒人と白人が絶叫とドラムの乱れ打ちで1時間というライヴを繰り広げていたからだ。

18時10分、登場した彼らは、ザック・ヒル(ドラマー)、ステファン・バーネット(MC)、アンディー・モーリン (キーボード)の3人。ステファンとザックは上半身裸。まず「Whatever I Want (Fuck Who’s Watching)」で始まる。

ステファンはマイクを握り、絶叫する。ザックはずっとドラムソロをしているようにスティックを振り続ける。アンディは凶暴な電子音をだしている。

ステファンは体から湯気を発し、青系の照明が当たり肌が光ると、まるで映画『ムーンライト』で黒人の肌が美しく表現されたように、神々しい美がそこにあった。

ステファンの絶叫はいろんなものを吹き飛ばし、ザックのドラムはいろんなものを叩き潰す。ステージ前ではモッシュも起きてダイブする人もいた。オザケン待ちの人にはたまったもんじゃないだろうけど、ラウドでノイジーな芸術を1時間堪能できたのだ。

曲間という概念がなく、ノンストップで演奏は続いた。「Giving Bad People Good Idea」や「I’ve Seen Footage」など特徴のあるイントロだとそこに反応して手を挙げる人もいる。

最後は「Guillotine」。「ギコ、ギコ、ギコ、ギコ、ギコ、ギコ、ギコ、ギコ(実際は”It goes”ですが)ギロチーーン!」と叫ぶステファン。この空気の中でやり切った彼らに惜しみない賞賛を!

 Photo by 平川啓子  Text by イケダノブユキ Posted on 2017.7.29 18:10