LIVE REPORT RED MARQUEE 7/29 SAT

The fin.

あれから3年、新たなフェーズへ

2014年にルーキー・ア・ゴーゴーに出演したthe fin.が、3年ぶりに苗場に帰ってきた。あれから彼らは海外での活動を増やしていき、昨年9月に拠点をロンドンに移しているそう。「Hi,fujirock !」と、気さくな挨拶があり、1曲目“Illumination”がスタート。エフェクトのかかったYuto Uchino(vo)の歌声は柔らかく、我々の耳に染みわたる。ドーンと深い低音が鳴り響き、見るものすべてを深い音の海に引き込んでいくよう。続いて“White Breath”では、Kaoru Nakazawa(dr)の鳴らすバスドラムがこちらへぐんぐんと迫ってきて、思わず胸が高鳴る。

「次は新曲です」と、ストリーミング公開されている“Pale Blue”へ。寄せては返す波のようなフレーズのループが、人々をゆらゆらと揺らす。昨日出演したThe xxのような匂いもする本曲は、彼らのサウンドがよりシンプルに研ぎ澄まされ、新たなフェーズへと進んでいることが感じ取れる。

その後披露された“Afterglow”は、次第にボーカルエフェクトがきいて
いくのが特徴的だった。Uchinoの歌声というよりは、サウンドのひとつとして機能し、溶け込んでいる。そしておなじみの“Misty Forest”、“Night Time”ではRyosuke Odagaki(gt)のギターソロが炸裂。ほどよい熱さをもちながら、冷静的確にフロアを揺らす彼ら。ラストの“Glowing Red On The Shore”を迎えたころには、睡眠と覚醒の間の気持ちよさみたいなトリップ感でいっぱいになっていた自分に気づいた。

9月には日本ツアー、明日は韓国のロックフェス「2017 JISAN VALLEY ROCK MUSIC & ARTS FESTIVAL」にゴリラズと競演するとのこと。3年前とはすっかり景色が変わったthe fin.の確かな進化を実感したステージだった。

 Photo by MITCH IKEDA  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.29 11:30