DAY WAVE
昼から踊って見る夢、ここにあります。
外はザザ振り。雨宿りをするにはちょうどいいであろうレッドマーキーは超満員。
時間ぴったりに、サポートメンバーの4人を引き連れ、DAY WAVEことジャクソン・フィリップスが登場する。背後のスクリーンには、自己紹介と言わんばかりに、でかでかと「DAY WAVE」という文字が映し出されている。
2か月ほど前にリリースされた彼のデビューアルバム『The Days We Had』から“Something Here”から、ライブがスタートする。
彼の作る作品は、浮遊感・脱力感のある声に、キラキラとしたドリーミーポップである印象だった。演奏が始まり、ジャクソンが歌い出すと、予想していたよりもしっかりと伸びる、地に足の着いたような歌声であるように思える。本国では、ライブも高く評価されているらしいが、その意見にも深く頷ける。音源として聞いた時と実際にライブを見た時の印象が少し異なるのだ。ライブとなると、浮遊感が少々抜け、メロディーが直に響いて、とても気持ちがいい。
今回が、記念すべき初来日となるDAY WAVE。ほぼ全員は初見であるなか、音源とライブとのギャップにドキッ!としてしまった人も多いはず。
“Untitled”、“Wasting Time”、”Total Zombie”と、DAY WAVEの表題曲が演奏される。ふんわりとした軽やかなリズムに、ジャクソンの甘い歌声が乗る。サポートギターのコーラスがより一層優しく、ドリーミーポップへと昇華していると思った。観客達もステージ上の演奏に応じるかの如く自由に体を揺らし、ゆったりと楽しんでいる。昼からこんなにキラキラした音楽で踊れるなんて、なんて気持ちがいいのだろう!天気や気温、時間のことすらも忘れて、自然に体がリズムを取ってしまう夢を見ているようなな時間だった。
「次はカヴァー曲だよ。」というジャクソン。ゆっくりとしたイントロが流れ、奏でられたのはNewOrderの“Ceremony”だった。いち早く気が付いた観客は大喜び!「私たちもすきだよ!」と体で表現しようと、曲に合わせて手を挙げて左右に振り、身体を揺らしている。
照れくさそうに「アリガト!」と言い、最後の曲“Drag”のイントロが流れる。ゆったりとしたメロディーが心地よく、音楽に身を任せていつまでも自分だけの世界に浸っていたかった。
ライブの後には大拍手が起こり、笑顔でステージを去っていくDAY WAVEのメンバーたち。雨も味方につけ、思わずファンになってしまった人も多いだろう。