LIVE REPORT RED MARQUEE 7/29 SAT

TEMPLES

中毒性抜群。進化を続ける彼らの今

2日目、レッドマーキーのトリを飾るのは、テンプルズ。彼ら、昨年に来日しているものの、フジロックは3年ぶり。この3年間に実力も知名度もぐんと上がっただろうし、セカンド・アルバム『Volcano』もリリースするなど、絶好なタイミングでの出演となった。タイムテーブルは小沢健二と丸かぶりなので、どっちにしようか悩んだ人も多かったかもしれないが、ホワイトステージに負けず劣らず、レッドマーキーは満員だった!

定刻になると、TEMPLESの4人が登場。歓声なのか、それともノイズなのか、不思議なざわめき音が会場を包み込み、ビリビリとした空気が漂う。“Colours To Life”、きらびやかなキーボードが魅せる“I Wanna Be Your Mirror”では、彼らがより研ぎ澄まされ、神聖なサウンドを作り上げたことを実感できる。そして、ジェームス・バッグショー(vo,gt)の歌声とコーラスワークが見事に調和した“Certainty”、曲が終わりに行くにつれ、ヘビーなサウンドへと進化していく“How would you like to go”、真っ黄色の照明に包まれる中、ギラギラとした音を鳴らし続けた“Mystery Of Pop”など、新作からの楽曲もたっぷりと楽しませてくれた。

また、ドラムの壮大な響きが幻想的な空間をもたらした“mesmerise”、大合唱&クラップが会場の一体感を生んだ“A Question Isn’t Answered”などは、間奏を長めにとったロングバージョン。レッドマーキー全体を包んでいくドープな空気に、ズブズブとハマっていく。ああこの音こそが、テンプルズの放つ快楽なのだろう。アドレナリン出っぱなしのまま、ラストは“Shelter Song”!会場は熱狂に包まれ、惜しまれつつも幕を閉じた。

テンプルズは『Volcano』のリリースを通じ、彼らが大事にしてきたサイケな感情を、よりポップに、中毒性の高さを維持したまま提示することに成功したと思う。少なくとも今回のライヴは、それを証明していた。11月の東名阪ツアーを前に、彼らの進化を垣間見れる貴重なステージであった。

 Photo by MASAHIRO SAITO  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.29 20:00