LIVE REPORT FIELD OF HEAVEN 7/29 SAT

くるり

2時間10分のヘヴン

小沢健二の「ラブリー」が聴けたので、満員電車状態のホワイトステージをなんとか脱け出し、なんとかフィールド・オブ・ヘヴンにたどり着いたら、こちらもすでに人が多かった。

雨が強くなったり弱まったりだけど止むことはなかった。着いたときステージ上ではバンドが準備をしていて、岸田繁がひとこと「練習」といって「ブレーメン」と「LV30」を演奏する。それで盛り上がるお客さんたち。

一旦バンドは退いて、21時10分ころ仕切り直し、改めて登場した。産休・育休中のファンファンも参加している。「おはら節」でライヴをスタート。序盤は「虹」「ワールズエンド・スーパーノヴァ」「ばらの花」と続ける。選曲は新旧織り交ぜたもの。岸田は「16年ぶりのフィールド・オブ・ヘヴンですね」「本当はLCDサウンドシステムやエイフィックス・ツインを観たかったんで、何度影武者を立てようかと思った」とか軽妙なトークで笑わせる。唐突に演奏を止めて「雨、大丈夫ですかね? じゃあメンバー紹介します」と予想の斜め上の展開もあった。2時間という単独ライヴと同じくらいの時間を持っているので、飽きさせないようにしている。

自分の周囲にいた人たちがすごく盛り上がっていた「Superstar」とか、時折激しくなる雨にもめげずにお客さんたちもついてくる。フィールド・オブ・ヘヴンを意識して全体的にブルースやジャムっぽい感じになっていた。ファンキーな「惑星づくり」や、岸田がラップする「琥珀色の街、上海蟹の朝」、ファンファンのトランペットに導かれる「ロックンロール・ハネムーン」新しめの定番曲もうれしい。「京都人やから思っていることをあんまりいわないけど、フジロック最高!」と岸田が語り、「Liberty & Gravity」で本編を締めくくる。

アンコールはまず3人だけで「キャメル」、バンドフル編成に戻り「ロックンロール」。お客さんたちも歓喜の声を上げて合唱して盛り上がる。23時を過ぎたけど、もっと聴きたいという人たちに「How To Go」が用意されていた。リハも含めれば2時間10分の幸せを感じさせたくるり。名残惜しそうなヘヴンには、ビーチボーイズの「ココモ」が流れていた。

 Photo by 北村勇祐  Text by イケダノブユキ Posted on 2017.7.29 21:00