LIVE REPORT WHITE STAGE 7/30 SUN

REAL ESTATE

最終日、癒しの時間

今やUSインディを牽引するREAL ESTATEが、フジロックに満を辞しての登場だ。2015年には創設メンバーのマットー・モンデナイルが脱退するという出来事もあったが、メンバー・チェンジを経て、今年3月に新作『In Mind』をリリースしている。

昼過ぎのホワイトステージ。やや強めの雨が降るものの、そこはゆったりとした空気が流れていた。最終日だから疲れてそうな人もいるが、みな悔いのないようフジロックの雰囲気を満喫している感じだ。その空気のなか、REAL ESTATEの5人が登場。暖かい拍手が会場に響き渡った。

「雨の中ありがとう!」と一言、一曲目“Stained Glass”のイントロが始まると、わっと歓声が上がる。透明感のあるギターサウンドに、みずみずしいマーティン・コートニー(vo)の歌声が乗っかる。そして、“Younger”や、“White Light”と続く。イントロを引き立てるようにベースが生き生きと動く“Crime”、“Darling”の素敵なコーラスワークなど、それぞれの良さを改めて噛みしめる。

曲冒頭に鳥のさえずりのようなエフェクトを用いた“Saturday”は苗場の自然にぴったりだったし、「オーオオーオオー!」と観客も大合唱の“It’s Real”、みんな待ってましたかとばかりに沸いた“Talking Backwards ”など、会場は最後まで熱い一体感に包まれていた。

素朴で安心感のあるサウンドを持つリアルエステイト。この日一番のヒーリングミュージックは彼らだったと思う。その音楽に揺られながら夢見心地になれるだなんて、なんて贅沢な時間なんだろうか。いつかグリーンステージで寝っ転がって聴きたい!

 Photo by MITCH IKEDA  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.30 12:30