LIVE REPORT RED MARQUEE 7/30 SUN

MONO NO AWARE (selected by ROOKIE A GO-GO)

ルーキー勝ち抜きおめでとう!彼らの舞台は、メインステージヘ

フジロックもついに最終日!レッドマーキー一番手は、昨年の最終日、ROOKIE A GO-GOに出演し見事メインステージ出演権を勝ち取った4人組、MONO NO AWARE。メンバーの半分が八丈島出身だったり、バンド名のごとく大きく流動する楽曲、含みや遊びのある自由奔放な歌詞など、多くの切り口を持ったスタイルで話題を集めている彼ら。昨年のMC「来年、レッドマーキーで会いましょう」を、見事、有言実行したわけだ。

10:09。会場前のテープが切られると、観客が猛ダッシュ!しばらくして、スクリーンには彼らのロゴが映し出され、4人が登場すると、リヴァ―ブのかかった幻想的な“me to me”で、観客の注目度は一気に上がった。“マンマミーア!”の軽快なイントロが流れると、会場はさらに盛り上がり、踊り始める人が増えていく。「2段熟カレ~♪」という印象的な歌詞に顔を見合わせて笑う人もいたが、続けて「プリンスカレ~♪」と加えてきたのには堪えきれなかった。歌詞はそんな感じだけど、演奏は終始キレッキレで、玉置周啓(vo,gt)の独特な歌声も、今日はいつにもましてセクシー。そのままメドレー的に“井戸育ち”へ。八丈島の景色を彷彿とさせる本曲は、苗場の地でもその美しさを放つ。はじめは鮮やかに、後半はエモーショナルに。ギターをかき鳴らし、ドラムはドタドタと暴れ出す。

あれよあれよと楽曲の雰囲気が変わっていく“明日晴れたら”では、フジロックに行きたいと思って作ったものだそう。ダブステップっぽい雰囲気になったと思いきや急にフェードアウトするなど、展開の読めなさが面白く、いろいろなアーティストをダイジェストで観ているかのような気分にさせられる。ドープでサイケな雰囲気の“夢の中で”は、目がとろんとしてしまったし、“イワンコッチャナイ”のスキャットマンを挟みつつのダンス・ミュージックは、かなりの勢いをもってフロアを沸かせた。彼らが意図しているように、各曲はバンド名のごとく流動している。けれど、決してオーディエンスを置いてけぼりにしない分かりやすさがあるし、サウンドもどこか一貫性を感じるのだ。

おまけに、MCも非常に面白い。一昨年のクリスタルパレスで起きた珍事件についてや、「今日、すごく対バンが豪華なので最後まで楽しんでいってください」「来年もルーキーに応募します」など、ユーモアのあるギャグで度々笑いを誘った。曲はもちろん、その独特なキャラクターに惚れて支持した人も、多かったかと思う。これからもそのセンスを爆発させた彼らが見たい!より勢いをつけた彼らとまた再会できることを期待している。

 Photo by 古川喜隆  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.30 10:20