DYGL
フジロックで掴んだ熱気
ラストの「All Want」で激しく感情をぶつけ熱く盛り上がるステージ前ではモッシュ状態にまでなって、DYGLってこんなに熱いバンドだったっけ? と意外な感じがした。クールなイメージがある彼らがここまでになったのはフェスの空気がそうさせたのだろうか。
苗場は雨が強くなったり弱くなったりしてもこの時点では止んでなかった。そのため避難民も含めてかなりの人たちがレッド・マーキーに集まっていた。定刻通りにはじまったライヴは、「Come Together」でクールに疾走した。「Take It Away」、「Let It Sway」と続き、フロアも盛り上がりをみせる。ヴォーカルのアキヤマが「調子はどうですか?フジロック!」と声をかけて「Boys on TV」。演奏は端正で小気味よい。サクサクと進んでいく。選曲は『Say Goodbye to Memory Den』中心であるけど新曲や7インチレコードで発売された曲も演奏される。
「遠くにいる誰かのために」と「Thousand Miles」。東京やそれぞれの地元に残した家族や友人を想って染み入る歌。そして「Let It Out」「I’ve Got to Say It’s True」「Waste of Time」「Don’t Know Where It Is」と今年5月の単独とほぼ同じ流れの後半だけど、フェスの空気にバンドが反応してどんどん熱を帯びてくる。今年でいうとnever young beachやYogee New Wavesみたいな存在になれるんではないかという予感を掴んだのだった。