LIVE REPORT FIELD OF HEAVEN 7/30 SUN

TROMBONE SHORTY & ORLEANS AVENUE

ニューオリンズ直伝。 彼こそがエンターティナー!

4歳からトロンボーンを始め、レッド・ホット・チリ・ペッパーズやセレーナ・ゴメス、ザ・ウィークエンド等有名アーティストとの共演歴を持つトロンボーン・ショーティがフジロックに帰ってきた!およそ7年ぶりとなると、初めて観るフジロッカーも多そうだ。今年はブルーノートと契約し、新作をリリースしただけあって、話題も十分。開演前から多くの観客が、スタンディングで待機していた。

まずは彼のバンド、オーリンズ・アヴェニューが登場し演奏を始めると、トロンボーン・ショーティことトロイ・アンドリュースが登場。右手にトランペット、左手にトロンボーンを持ち、空に掲げると観客から歓声が湧き上がる。始まった軽快なイントロは、“Backatown”。、整った音形、引き締まった音色、なんて美しいトロンボーンプレイなのだろう。そのまま聴き入っていると、“Craziest Things”へ。今度はマイクを持ち、ステージ上を自由に駆け回る。続いて、タンバリンに持ち替えて“On Your Way Down”。マイク・ベース・ベイリー(ba)、ダン・オーストライカー(Bariton Sax)、
BKジャクソン(Tenor Sax)による、演奏しながら体を左右に振る演出付き。やがてトロンボーン・ショーティと向かい合って4人でのセッションになるのもアツかった!

ジャズ・バンドなだけあって、それぞれの自由なソロも見所。“Here Come the Girls”ではダンとBKがボックスステップを踏みながら演奏したり、“One Night Only”では珍しいベースソロ。寝転がったままベースを弾くマイクを囲んで残りのメンバーはぐるぐると行進する。“Tripped Out Slim”ではショーティVSオーリンズ・アヴェニュー的な演奏バトルの一幕も。とにかく、聴いていても見ていても全く飽きない。常に人を楽しませようとする姿勢に感動する。彼らこそ、エンターティナーだ!

そして、極め付けは終盤。レッチリの“Give It Away”、ザ・ローリング・ストーンズの“(I Can’t Get No) Satisfaction”、ジェームス・ブラウン“Get Up(I Feel Like Being)A Sex Machine”のカヴァーへ。特に“Give It Away”では、観客をしゃがませ、カウントダウンで一気にジャンプ!ここから観客のテンションは最高潮。気づけば周囲はぎゅうぎゅう。明らかに人が増えている。最後の最後は、ニューオリンズ・ジャズの定番”聖者の行進”。ここまでお腹いっぱいにしてくれるバンドがあっただろうか。彼らも観客も本当に楽しんでいた、最後の音楽体験だった。SNS上では「ベストアクトは彼ら!」との声も多数。今すぐにでも再来日を期待している。できれば来年も、またフジロックで!

 Photo by 北村勇祐  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.30 18:50