ディープファン君
まさに大団円!愛と興奮を届けた最後のルーキー
アベユーセイ(Manipulator)がオーディエンスに「皆さん、生きるってのはファンクなんです」と語りかける。そのまま小難しげなストーリーを展開し始め、しまいにはその話を自らのシャウトでカットアウト。なるほどこれがファンク、ライブは唐突にスタートした。
そんな驚きのあるやりとりと同じく、ルーキー最後のアクトであるディープファン君のステージは破天荒で享楽的だった。ステージにはアベのほかに男女ボーカル、ギター、シンセ、ベースそしてドラムの計7名。そのボリューム感に加え、舞台上をボーカリストとアベが常に動き回るなどしているので、より一層のにぎやかな印象を受ける。中でもひときわ運動量を持つ男性ボーカリストのスルガアユムは「皆さん楽しみましたかフジロック!でもまだ終わっていません、ここで完結すると思ってください」という煽りに続いて、しびれるようなファルセットを交えて熱情に満ちた歌唱を披露した。
バンドは終始本格的なファンクチューンを繰り出し、そのグルーヴの渦をどんどん回転させていく。そのうねりに刺激されてか、深夜帯につき開演直後まばらだった聴衆も、気づけばあっというまににぎやかな猛者たちがフロアにひしめく様子に変わっていった。これぞ有終の美に相応しい盛り上がり。フジロック17のルーキーはこうして幕を閉じた。