10-FEET
雨を蹴散らすアツいパフォーマンス
雨足が強まりつつあるホワイトステージでは、入念なサウンドチェックが行われていた。次に登場する10-Feetのメンバーが自らサウンドチェックをしていたため前方にはファンが詰めかけていたが、さらに歓声が上がった瞬間があった。なんとTOSHI-LOWとThe Hiatusの細美武士がサウンドチェックに乱入し、それをAsian Kung-Fu Generationのゴッチがつまみ出すという珍（名？）場面があったのだ。ロックファンならテンション上がっちゃう一場面だったけど、一方でそんなシーンが起こるなんて10-Feetは他のアーティストからも愛されているんだなぁと感じさせてくれた。
定刻どおりにファンファーレが鳴り響くと、ステージ前方に陣取ったファンたちが10-Feetタオルを掲げるのがスクリーンに映し出された。メンバーたちがステージに登場し、TAKUMAのシャウトでライヴが開始した。「フジロック初出場くらいの気持ちで！」と気合いを表明してそのまま”Vibes By Vibes”をプレイ。すぐに 「オーオーオー」と合唱が起こり、大きなモッシュサークルがぐるぐると回り始めた。初っ端からステージと観客の一体感がすごい。1曲目が終わると「ありがとうございました！10-Feetでした！」と叫ぶ、ライヴを終えるかのようなお決まりのMCに続いて「アンコール始めます！」と”Stone Cold Break”へ続けた。ファンじゃなくても湧いちゃう展開だ。雨の勢いは結構強まっていたが、むしろテンション上がる一方でパフォーマンスが進められていく。コール＆レスポンスの反応もバッチリで10-Feetの名曲”River”、攻めに攻めてアゲる”Super Stomper”と続きステージ前はモッシュ、ダイブの嵐が吹き荒れる。ダイブが多すぎてセキュリティの数が足りないほどなのに、さらに後ろからステージ前方へ駆け寄っていくファンも多くて、改めて人気の高さを思い知らされる。曲間のトークでは関西人らしいノリで笑わせてくれるのも楽しい。
「サシで想いを伝えるのが下手くそです」と不器用な男のメッセージを込めた”アンテナラスト”や、過去も未来も大事だと思うんだ、と自分なりの美学を訴える”その向こうへ”と聴かせる曲展開も得意な10-Feet。激しくシャウトして観客を暴れさせるところと、しっかり歌でメッセージを聴かせるところとメリハリがはっきりしているあたりにライヴのうまさを感じた。そんなTAKUMAに高音でハモり、ベースをうならせるNAOKI、後ろで激しい演奏を支えるKOUICHIの演奏もハイレベルだった。人懐こい笑顔を見せながら”ヒトリセカイ”と歌った後は極めつけの”Goes On”でホワイトをぶちアゲてフィニッシュ！悪天候の中ではあったけど、雨のことを忘れさせてくれるようなアツいパフォーマンスだった。何度も出演しているフジロックだけど、初心忘れず！な姿勢で挑んでくれた10-Feet。楽しい時間をありがとう！
