個性の強いラインナップで熱いステージが繰り広げられた初日のルーキー・ア・ゴー・ゴーの締めはザ・キングストンパーズ。メンバーが9名という3日間全15アーティストの中でも最も大所帯なバンド。昨年のサンセット・ライブでは一般エントリー枠を見事勝ち抜き、3日目のバンブー・ステージ1発目に登場。太陽と砂浜を味方につけ、見事なステージングを披露していた。
彼らの音楽は本場ジャマイカの音楽を踏襲した正統派スカ。スカパンクなる目の回りそうなスピードでキッズたちの心を鷲掴みにする音楽も楽しくていいけど、やっぱりお酒を片手にゆるりと横揺れできるオーセンティック・スカは野外のフェスティバルには欠かせない。まったり、ゆったり、しょっぱなのインスト曲で早くも泥地面は砂浜、雨が降ったってそれは南国特有のスコールさ、とばかりにおきらくな気持ちにさせてくれる。
歌の入った3曲目では「キングストンプ」コールが巻き起こり、両手を挙げて盛り上がるお客さんの姿が見られた。心地よいホーンの音が重なると、それに酔いしれた人たちが肩を組み出し、最後の曲が終わっても拍手が鳴り止まない。この盛り上がりに負けたようで、ルーキー・ア・ゴー・ゴーでは異例のアンコールの許可が下りる。再び現われたメンバーに会場全体が歓喜し、あなどれぬルーキーの熱気をここに見せつけた。
写真:中島たくみ
文:千葉原宏美