運を惹きつけろ
ルーキー・ア・ゴー・ゴーに出るバンドは、時間帯による「運」や巡り合わせというもの
がある。一般的にメインのバンドが終わり、大勢のお客さんが宿にキャンプサイト に戻る頃に出演時間が当てはまる方がいい。もちろん、そのもらった運を自分のものに
するのはバンド次第だし、遅い時間帯だって盛り上げたバンドもいる。
NOKIES!(ノーキーズ)の出演はちょうど1時。フジロック3日間の深夜帯の中で一番活
発な2日目なので、かなりいい時間帯に出られたといえよう。自分がルーキー・ア・ゴ ー・ゴーに向かうとき、ゲートあたりが渋滞していたのをみると、帰路につく人が大勢い
たわけだし、「どうせなら明日もフジロックだから、ちょっとルーキーにも寄ってみ るか」という人がたくさん来ていた。 バンドは関西出身の4人組。UKやUSのインディー・ロックに影響された
ギター・サウンドが特徴のバンドで歌詞は英語。洋楽のセンスを自分のモノにしている。
元気かつ爽やかに跳ねるリズムに切れのよいギターが乗る。安定感のあるドラムをはじめ、
しっかりとした演奏は足腰の強さを感じさせる。インディといえども、そうしたところがきちん
としているので好感が持てる。 中盤に演奏された"We Are News in the Dance Floor"など、いくつかの
起伏を作り、30分弱の流れをよく考えられた構成で駆け抜けたのであった。恵まれた時間
帯に出演できたチャンスを生かせるかどうかは、これからの自覚次第だろう。
文:イケダノブユキ
写真:岡村直昭