アバロンに吹くアフリカの風
太陽も少し傾き始め、心地よい風がアバロンの坂に吹きそよぐなか、アフリカの民族衣装をまとったiyco(アイコ)が登場した。
アコースティックギターに、パーカッション、そして3人の女性コーラスをバックに始まった1曲目は、鳥の鳴き声から始まる“アフリカンシクリッド”。アフリカの大自然を感じさせ、大地の力を表すような力強い踊りとともに、パワフルで伸びやかなうた声を響かせる。また、しっとりと聞かせる曲では、艶やかなうた声をオーディエンスへと届けてゆく。虫の声があちこちから聞こえるアバロンに馴染むその声の心地よさに、みな坂の途中に座ったり寝そべったりと、ゆったりと過ごしてる様子がうかがえた。
一曲終わるごとに、丁寧に「アサンテサーナ、ありがとう」とスワヒリ語と日本語で挨拶をしていくアイコ。アフリカが好きな理由として、生活の中に音楽があることをあげ、「お客さんやメンバー、みんなと一緒にうたうことで、みんなと繋がれる。みんながいるからうたえると思って書いた曲です」と始まった“Life is colorful”では、たくさんの拍手に包まれた。
日本語じゃないと思うと日本語だったり、スワヒリ語なのか、言葉でないことばなのか、個性的な歌詞ののったアフリカンテイストのメロディー。「昔の日本の風景を、大好きなアフリカに感じる」というアイコのうたは、まさにアフリカンジャパニーズポップスだった。
写真:直田亨 文:manakov