最初から最後までコントラストを付けた多種多様なリズム
今年で4度目の出演となるDJ KENTARO。DJでホワイトステージというのも珍しい気がするのだが、初日のトリ前という時間に堂々たる登場だ。今回のステージを見てより思ったが、彼の音楽は陰陽や緩急、いわゆる明暗の差がハッキリしている。
だから、普段からDJに慣れ親しんでいなくとも(筆者自体がそうであり、身を持って体感した)、ノリがわからないということもないし、むしろ約1時間のセットが短く感じてしまうほどだ。たまたま通りかかった観客だろうか、音を聴くなり方向を変え、前へ前と進み踊り出すなんて場面も。知り合いでなくとも、どんどん身を近づけあっている人達もおり、人のテンションの刺激の仕方がずば抜けて上手い。もちろん、繊細なターンテーブリズムは、今さらここで言うまでもないだろう。
後半では、スペシャルゲストとして、アルバム『Contrast』にも参加しているレゲエ・クルーのFIRE BALLが登場。とあるインタビューで「スペシャルゲストあり」と語っていたし、ニュースサイトにも出ていた分、分かってはいたのだけど、やはり“BOMBERMAN”などでセッションされると、高揚感が違う。あと、これは終始のことだが、エッジのきいた映像と音とのリンク、加えて照明のタイミングなども申し分なく、彼のプロフェッショナルさとクオリティの高さがこれまで以上に際立っていた。
写真:深野輝美 文:松坂 愛