原発に社会的関心が集まっているために忘れがちだが、ほんの少し前まで環境について考える際の主要なトピックはCO2削減であった。そのCO2の問題が国際的に共有された「環境と開発に関するリオ宣言」が合意された環境と開発に関する国際連合会議から20年経った今年、同様の国際会議が同じリオ・デ・ジャネイロで開催されるという。
このようなところから関心を高めて行きたいとの導入ではじまった2日目のNGOヴィレッジトーク、左からNPO法人苧麻倶楽部(ちょまくらぶ)、A SEED JAPAN、フジロックの森プロジェクトの3団体によるテーマは「身近な森の楽しみ方」であった。
福島県奥会津地方にある昭和村で、都市と農村の交流をめざすとNPO法人苧麻倶楽部(ちょまくらぶ)は、昨年に続いてのNGOヴィレッジトークとなった。地元を案内できるガイドの育成に努めているという苧麻倶楽部は、福島全体の元気がなくなっているなか、比較的元気な奥会津が力を発揮して行きたいと話していた。
フジロッカーズにはおなじみA SEED JAPANは、団体設立のそもそものきっかけが環境と開発に関する国際連合会議であったという。未来を話すための国際会議であるにも関わらず若者の発言の場が少ないことに気づいた羽仁カンタが、その機会を作るべく動き始めたのだのエピソードを披露していた。
昨年よりスタートしたフジロックの森プロジェクトは、森の再生と活用という視点でボードウォークなど独自の取り組みをおこなっている。間伐材を活用した紙製品「フジロックペーパー」をフリーペーパー「FESTIVAL ECHO」やフジロックフェスティバル公式パンフレットに活用するなど、フジロックに密着した活動を展開している。
一本の木から何枚の紙が作れるか?という簡単なクイズやアバロンビレッジに出店している雑貨店クロスロードによる自然の素材を生かした手作りカリンバのワークショップ紹介、木製のスリットドラムの演奏実演など盛りだくさんのトークセッションとなった今日のNGOヴィレッジトーク。最後に森を愛し、人を愛すという言葉が紹介され、周りに優しくするとそれが自分に帰ってくるというメッセージで閉幕となった。
リンク集
NPO法人苧麻倶楽部
A SEED JAPAN
フジロックの森プロジェクト
NGOヴィレッジトーク【身近な森の楽しみ方】
写真:平川けいこ 文:永田夏来