ジャンゴ・ジャンゴのライヴの興奮も冷めやらぬまま、着の身着のままホワイトステージを後して、向かった先は苗プリのプレスエリアだった。ライヴ直後というこれ以上ないタイミングでインタビューさせてもらうことができたのだ。ヴィニー以外はステージの格好そのまま、慌ただしくも全員片手にはビールで清々しい表情でやって来てくれた。そりゃそうだ、初来日、初フジロックであれだけのお客さんの心をワシ掴みにしたのだから。
トミー (key) ヴィニー(Vo. G) ジミー(B) デイブ(D)
-ジャンゴ・ジャンゴとしては始めての来日だと思いますが、みなさん日本には来たことはありますか?
トミー(以下T):僕は何年か前に来たことあるんだ。バンドを始める以前だけどね。
他3人:今回の来日が初めてだね。
-じゃあ、ほぼ初めての日本、そしてたった今、フジロックのステージを終えたところですが、お客さんの反応にどう感じましたか?
全員:もう、すごい、素晴らしかったよ!
-たぶん、初日のホワイト2番目の出演としてはお客さんの数が半端なかったと思いますよ!
デイブ(以下D):最初、僕達がステージに到着したばっかりの時は前の方に50人くらいだったんだよ。で、トイレから戻って見てみたら奥の方にまで人がびっしりいて、本当に驚いたよ。
ヴィニー(以下V):いやあ、もう本当に信じられない!とびっくりして嬉しかったなあ。
T: ほら見て(トミーがiPhoneで撮ったオーディエンンスの写真を見せる)。こんなに来てくれるなんて素晴らしいよ。
トミーが見せてくれた写真は、ステージを後にする時に自分のiPhoneでオーディエンスを撮ったもので、写真の隅から隅まで笑顔の人、人、人!
-今日のプレイについてはどうでしたか?
ジミー(以下J): ヴィニーはギターのチューニングが合ってなくて、ギャップができてたんだよ(笑)。
V: トミーは「風の音」のサンプルを流してて、それはもう完璧だったんだけどその音が流れている間に、ちょっとずつちょっとずつ(周囲を見るそぶりをしてみる)チューニングを直していたんだ(笑)
-うん、実はみんな知っていましたよ(笑)。デイヴのドラムも調子が悪くなってましたよね。
D:そうそう、タムは落ちちゃうし、シンバルも落ちちゃうし。でも、まあこれもフェスの一部だよね。自分のドラムスじゃなかったし。今回は日本で準備してもらった楽器もあるし、トミーは自分のキーボードをスコットランドから持ってきたんだけれどね。
T:まあ、完璧な演奏であるに越したことはないんだけど、ミスちゃってもそれはそれでオッケーさ。
D;いい事いうじゃないか!(爆笑)
全員:それがフェスティヴァルだよね!
-昨日フジロックに到着したと思うんですけど、前夜祭へは行きましたか?
D:うーん、前夜祭をやっている所には行かなかったんだけど、ちょっとその辺をブラブラしたよ。
V:僕らはピラミッドがある所へ行って、それから川で泳いだよ。
-え??泳いでたんですか?
V:泳いだというか、川に足をつけてバタバタさせて、その後、近くの岩に上って休んだりしたんだ。
-あなた達は春~夏にかけてSXSW,ラティテュード・フェスティヴァル、Tイン・ザ・パーク、先週末はアウェイゲームなどなど、場所、規模の違うフェスに出演していますが、どのフェスが印象に残っていますか?
D:今日のフジロックに勝るものはないよ。
全員:そうだね(うなずく)
J:日本のオーディエンスに対する予備知識が全然なかったからね。
T:メモってくるのを忘れちゃってさ(笑)
V:実際、僕らが日本ではどのような位置づけなのかまったくわからなかったから、あのたくさんのオーディエンスを見た時はもう圧倒されたよ。機材トラブルが多少あったとはいえ、今日のライブは最高だったよ。
-フジロック後はオーストラリアでのフェス、ツアーで苗場に滞在できる時間は短いと思いますが、フジロックでライヴを見られる時間はありますか?どんなアーティストが見たいですか?
V:エレクトリック・ゲスト 、 ザ・ヴェリー・ベストかな。
T:僕はファクトリー・フロアを見たいんだけど、その頃にはもう東京に戻らなくてはいけないんだ。
V:フジロックのラインナップはとても良いんだけど、移動があるから、たぶんザ・ヴェリー・ベストを見たら東京に移動かなあ。
-ザ・ストーン・ローゼズは見られそうですか?
J:あああ~~。僕たちはこれまでもザ・ストーン・ローゼズが出たフェスティヴァルに出てきているのに、いつもローゼズが始まる前に移動しなくちゃいけなくて、まったく見ていないんだよ。本当に残念だよ。
V:ジムはザ・ストーン・ローゼズの大ファンで家にポスターやLPがいっぱいあるんだよ。
J:うん。部屋に大きなポスターを貼っているよ。だから、今日もどこかでちょっとでもいいから会えないかな~と思っているんだ。
V:楽屋見つけ出してのぞいたり盗み聞きしたりするんだろ(笑)
-フジロックは日本だけではなくて、世界各国のゴハンも揃っていて、食に関しても楽しむことができるのですが、なにかトライしましたか?
V: いや、ホテルの食事だけだね。
T: 僕は朝ごはんで、和食なんだけどアイリッシュ・シチューに味が似ている食べ物があって、それがおいしかったな。(どうやら、そのアイリッシュ・シチュー似の食べ物とは、筑前煮のことだったらしいです)実はホテルの朝食だからあまり期待していなかったけど、ぜんぶおいしかったよ。
V: 僕は海苔が唇にくっついて、真っ黒になっちゃったよ(爆笑)
-これからまだしばらく時間があるので、ぜひフェスごはんにトライしてください!
T: そうだよね。僕は以前日本に来たことがあって、その時から日本の食べ物は世界一だと思っているよ。なにもかもおいしいよね。寿司も大好きだよ。ウニはちょっと苦手だけど(笑)
-ところで、自分たちがフェスティヴァルを主催するとしたら、どんな人たちを呼びたいですか?
D:ビートルズ。再結成をヘッドライナーで。グライムス呼びたいな。今結構気に入ってるんだ。あと ファクトリー・フロア。
T:僕はビースティ・ボーイズ見たいな。もうライブやらないよね、きっと(ややしんみり)
V:パブリック・エナミーかな。
J: スコットランドのアーティストも呼びたいよね。プロクレイマーズ、プライマル・スクリーム。 オレンジジュースが再結成したら呼びたいね。
T: YMO!アシッド・マザーズ・テンプルもいいな。
-では、最後にフジロッカーズにメッセージをお願いします。
T: アリガトウ!
D: こんなにたくさんのオーディエンスが来てくれて本当に嬉しかった、本当にありがとう。
T: 感謝しきれないね。
J: みんな、笑顔で僕たちのライブを見てダンスして、最高のオーディエンスさ。
最後に4人での写真をと外へ出てみると、4人はフラっとプレスエリアを出ていくと、何やらニヤニヤしながら、じゃあ、ここでと向かった先には”Ladies Site”の文字が…。たまたまロープにつけられていた洗濯バサミをちょっとトミーにと始まった悪乗りはエスカレートするばかり。せっかくの初来日も次はオーストラリアでのフェスと、ツアーが待っている彼らにはフジロックをゆっくりと満喫できる時間もないながらも、こうやってインタビューをさせてもらえたことに多いに感謝します。ぜひぜひ、今度は日本ツアーなんかでお目にかかれるチャンスが到来することを願いたいものですね。