ピースフルな音楽をアバロンフィールドで
裏ではザ・スペシャルズなど強者が揃う時間帯、なかなかの人の多さ。20:00ちょっと前、静かにメンバー3人が登場して始まった曲はLeyonaの名曲”travellin man”。サビでは東田トモヒロと沼澤尚のコーラスにより三重奏となり美しいハーモニーがアバロンフィールドを覆っていった。”travellin man”が終わると同時に東田が歌い出す。様々なフェスでこの3人の組み合わせを見ることがあるが、普段ソロで活動している特別ユニットとは思えないほどの息の合い方だ。仲の良さがこちらにまで伝わってくるライブだった。
小さなフェスで見慣れているせいか、アバロンフィールドという小さなステージ、そして静かな夜の雰囲気がぴったりと合い、東田とLeyonaの声を聞いているとで心が落ち着いてくるほどだ。中盤、3人で作った曲という”月と太陽”が演奏される。東田がギター、Leyonaがハープという構成で、代わる代わる歌い上げていく。曲調はメロウなバラッドで、観客を吸い込んでいった。
後半になり東田の持ち曲”HERO”が始まると観客は一斉に立ち上がり、手を空に掲げ踊りだした。東田とLeyonaの二人の声は一体なんなんだろう。東田のゆるく温かい声とLeyonaのハスキーなソウルフルな声。一見、合わなさそうな組み合わせだが、聞いてみるとそうでもない、癖になりそうなハーモニーなのだ。
最後に触れておきたいのが沼澤尚のドラミング。こうも繊細かつ大胆にそして、感情表現豊に叩くドラミングはそう聞けない。沼澤のバックビートに乗る二人の声はより一層メロウに、そして表現豊かに聞こえるのだ。
写真:平川けいこ/文:丸山亮平