まずは、このユニット名にグッと来た。流石のセンスに脱帽です。
そう思っていたところに、DJワイルドパーティーから禁じ手、Folderの”パラシューター”が投入される。チビっこたちのあの曲、こんなにカッコよかった?大人たちは大喜びで体を揺らしていて、しょっぱなから笑顔になってしまう。岡村ちゃん×ハウスユニットという前情報くらいしか知らなかった自分の眼の前で繰り広げられる、トイプードル=異端の天才・岡村靖幸との、親子ほどのジェネレーション・ギャップを逆手にとったDJワイルドパーティーの見事なケミストリー。その衝撃的なカッコよさに、OLじゃない自分をディスりたい!バカバカバカ!
最初はそれほど混雑していなかったフロアも、あっという間に立錐の余地もなくなった。マーキーは既に入口で飽和状態となっているのに、雪解け水のように流れ込んでくる、人・人・人。そんな中、ステージ上のトイプードル、ホワイトタイガー、ワイルドパーティーの3人の姿は、人の波のはるか向こうでサッパリ見えない。もちろん岡村ちゃんの魅惑のダンスが確認できるわけもなく、ただ、前方のオーディエンスの反応から、縦横無尽に動き回り、客を煽ってるんだろう姿を想像するのみ。「フジロック、ベイベ!」の一言だけで会場を沸かせる岡村ちゃん。天才ってのは、心底スゴイ。「ありがとサンキュー!」の井上陽水といい、一言MCだけで客を痺れさせることが出来るんだよなあ。言霊の威力を実感した今年のフジロックでもある。
マーキーに溢れたトンデモない数のオーディエンス(電気グルーブ待ちの諸君含)も圧倒される、バッキバキなエレクトロチューンがカッコよすぎて震えが来る。胃に鉛を突っ込まれたような音圧が強引に腰を揺らせ、OLらしきお姉さんのシルエットが制服を脱ぎすてていくVJも秀逸。このVJはホワイトタイガーが担当しているらしい。
ファンキーなダンスチューンをザクザク垂れ流す、それはもう、ほとばしる生への欲求?チャンス・ロマンスへのいざない?サウンドからダダ漏れる神センスにどっぷりと浸かりながら、次に控える電気グルーブを思うが、もうとにかく人いきれで暑い暑い!酸欠で思考は点滅するライトをボンヤリ眺めるのが精いっぱい。ビールをあおり脊髄反射で踊る贅沢なマーキーの夜、コレぞフジロックでしょ、そうでしょ。
OL Killer
文・mimi