苗場食堂の今年のメニューなど聞いちゃいました
ある時はやさしい味を届けてくれる味方、ある時はあぐらをかける希少なスペース、そしてある時は規模に不似合いなほど強烈な印象を残すライブステージの一つ。それがフジロック内随一の多面的空間である苗場食堂。
苗場食堂には苗場突撃音楽隊をはじめ数々のライブが今年もラインナップされ、地元の品にこだわった優しい料理へも期待が高まります。準備中のさなか、チャンスを見つけて総責任者をやっているthe Kinta Naebaのオーナー・金澤龍太さんにお話を伺いました。通称「キンタさん」としてボードウォークをはじめロックな苗場の現場にいらっしゃる彼が、苗場と苗場食堂について話します。
一番のピーク、フジロック
――今年もこの時期となりました。1年においてフジロックは間違いなく夏のピークだと思っていますが、実情としてはいかがでしょうか。
もう夏の、っていうより1年のピークだね。完ぺきに予約が埋まるのは夏のフジロックだけなんです。最近はお正月でも地域全体が埋まることがない。スキー人気が低迷しているけれど、地域のキャパっていうのはバブルの時と一緒ですからね。
――そうだったんですね…。今年で苗場は15年を迎えるわけですが、迎えた当初、99年は「ロックの人たちが来る」という驚きがあったと伺ったことがあります。
驚きというか恐怖でした。それまでは全く知らない、海のものとも山のものともわからない人たちというイメージだったから。でも当時から僕らは「スキーやばいぞ」っていう、スノースポーツの人気の陰りに危機感を抱いていたんです。そんな中で日高さんが何度も足を運んで丁寧に説明をしてくれて、まずはとりあえずやってみようとなったんです。
――そして実際に開催してみて、その感触は良かったと。
ええ。静かでしたしね。今でも覚えているんですけど、その年のトリがあの…こぉんな髭を生やしている(「ZZ TOPですか?」の問いに)そうそう。女房と見ていたんですけれど、人が少ないなと(笑)。で、99年だとオアシスエリアとレッドマーキーの位置が逆だったんですけれど、そこも静か。あとはマナーの良さですか。天神山やお台場など、苗場の前の会場でお客さんも揉まれたんでしょうね。今でも宿で出したゴミを持って帰ってくれる方なんかもいて。すごく安心しました。それまでは不法駐車をされるんじゃ…って駐車場に縄を張ったりとか本当に警戒していましたから。
――地域との結びつきが深いのはフジロックの特色ですね。
フジロックだけじゃなくて年明けて(冬の)ウィスキー・ア・ゴーゴーとかボードウォークキャンプもありますしね。日高さんやSMASHのロンドンチームもちょくちょく泊まりにきてくれたりもするんです。そういった時に今年できた苗場食堂の桟敷の話をしたりなんかするんです。「どうする?」って。
地元のこだわり、今年のこだわり
――苗場食堂をやるきっかけは?
日高さんから声をかけられて、ですね。初年度はそれをやりたがっている若者に任せて方向性が違っていたり、あと場所もオアシスエリアの方だったのですが。ただ翌年、ボードウォークを始めた時に「あなたがやってくれ」と日高さんに言われてやることになった。ただ場所が今の場所に変わるって聞いて、当初はビールケースのイスをなんて思っていたから急いで桟敷を用意しました。
苗場食堂は地元の食材、地のものを売るというコンセプトがあって、去年出した塩麹の鶏肉はだしますし、納豆やたくあん、山菜を細かく刻んだものを混ぜて食べる丼物が新しいメニューとして登場します。
――そこも今やライブステージのひとつですね。最初はタイムテーブルがなかったのですが、忌野清志郎のライブは個人的に印象に残っています。
清志郎さんやギャズ・メイオールのステージは、あのとき日高さんとギャズ、清志郎さんと呑んでいた時に「やらない?」ってなったんですよね。
――ご自身は何か見ますか?
なかなか見られないんですけど時々聴きに行くとか。あとは苗場食堂のステージですかね。池畑さんと親しいので、苗場音楽突撃隊ってありますよね。あれも日高さん池畑さんと呑んでる時にこれで行こうってなったんですよ。あと今年は夏木マリさん、僕と同い年ですからねー。あとはパレスオブワンダーですね。最終日の朝までやっているところでライブを見てっていう感じですかね。
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