LIVE REPORT GREEN STAGE 7/29 SAT

JAKE SHIMABUKURO

変幻自在のウクレレ・マジック!

ハワイはホノルル出身のウクレレ奏者、Jake Shimabukuroがフジロックに4度目の登場!ドラムにエヴァン・ハッチングス、ベースにノーラン・バーナーというシンプルなバンドセットで、お決まりの「よろしくお願いシマブクロ!」という挨拶を経て、ビートルズのカヴァー“Eleanor Rigby”へ。ウクレレを奏で始めた瞬間、ぱっと笑顔に変わったジェイクは、右、左と足踏みを交互に繰り返し、ノリノリの様子。続いて、しなやかなタッチで“Galloping Seahorses”のイントロを奏でだすと、やがてベースやドラムが入っていき、より立体的なサウンドになっていく。このダイナミックなサウンドスケープが、まさかウクレレをメインに展開されているなんて、驚きだ。

お次は新作アルバム『ナッシュビル・セッションズ』から“TRITON”と“6-8”。今作はウクレレでロックやプログレに挑戦したアルバムなだけあって、彼のウクレレテクニックがいっそう際立つ。素早く音階を駆け上がる、生き生きとした音色。楽器の可能性を飛び越えた、夢のようなプレイに心奪われる。そして定番のクイーンのカヴァー“Bohemian Rhapsody”。「みなさんシンガロング!」とはじめると、歌声が巻き上がる。豊かなウクレレの音色とフジロッカーの歌声が混ざり合う、なんて平和なひとときなんだろう。

そして、“KAWIKA”。「次の曲はハワイの伝統的です」と紹介していたものの、「日本語あってますか?」と確認し、YESと答えるオーディエンスに「皆さん嘘つきです!」なんて返すお茶目な一面も。苗場にハワイの空気をもたらしてくれたあとは、名曲“DRAGON”へ。抒情的なサウンドではあるものの、後半から繊細なテクニックが大集合。ここでもまた圧倒される。そしてそして、最後に演奏されたビートルズのカヴァー“While My Guitar Gently Weeps”がまたスゴイ!ウクレレがブルースのような音色になったり、メタルっぽくなったりと、飛び出すエフェクト、変幻自在。テンポをぐんと上げていき、最後はカントリーミュージックのようなお祭り騒ぎでもってフィナーレへ。まるでフィールド・オブ・ヘブンに出ているお祭りバンドのようだった。

前回はオレンジコート、今回はグリーンステージだったけれど、Jake Shimabukuroの音楽への姿勢は、どんな場所でも形を変え、色を変え、新しいスタイルを築いていくのだろう。ウクレレの素晴らしい表現力を通して、彼の貪欲な音楽性を再確認した。

 Photo by 古川喜隆  Text by 梶原綾乃 Posted on 2017.7.29 12:50