THE AMAZONS
完全燃焼!驚異の新人バンド、現る
白い車が轟々と燃えている画像が背後の画面に映し出され、ゆっくりと登場するThe Amazonsの4人。
まずは、デビューアルバム『The Amazons』の1曲目“Stay With Me”からライブが始まる。音が大きく爆発したような開放的すぎるサウンドに、「どこにそんな力があるんだよ!」と思ってしまうくらいたくましく野性的なマット・トンプソン(Vo.Gt)の声。シャウトだって最高に気持ちがいい!こいつら、本当に新人バンドなんだろうか?
こんな演奏が目の前で繰り広げられているんだもん。そりゃあ、自然に腕が上がるし、身体も揺れる。一緒になって歌いたくなっちゃうよ!
パワーみなぎるジョー・エメット(Dr)のドラミングが活きる“Ultraviolet”と、耳に残るイントロが特徴的な“Black Magic”。ああ、気持ちのいい演奏が大音量で聴けるって、どうしてこうも興奮してしまうんだろう。もう最高にクールで笑いそうになる。ついでに言うと、「マット!」と声をかける人のほとんどが男性だったというのも笑ってしまった。
The Amazonsは、王道ロックど真ん中と言ってもいいと思う。直球で、パワー全開。わかりやすいからこそ、問答無用にかっこいい。ライブを目撃した全員をファンにしちゃったんじゃないだろうか。
また、聴き続けていて飽きが来ないのも素敵だ。転調前後で雰囲気の変わる“Little Something”や、荒々しいメロディーが耳に残る“In My Mind”なんてそうじゃないだろうか。するすると流れるような演奏は、熱いライブに熱中させるだけではなくて、無理やりにでも聴かせにきているように感じられた。
後半に向かうにつれても一切手を抜くことはなく、どんどん加速していく。演奏も荒削りな部分も多少はあったけれど、すべてをパワーで押し切ってしまうというか……そういう部分含めて、まだ新人バンドだし、若さなんだよなあ~……なんて思う。しかも、これだけ勇ましい曲ばかりにも関わらず、曲を作るきっかけというのが大失恋というんだもん。可愛い部分もちゃんとあって若者らしい。
“Junk Food Forever”の力強い演奏が終わり、ステージを去っていくメンバーたち。観客からは「オ~オオオ~」という曲中コーラス部分の大合唱が起こる。まさかまさかのアンコールに応え、ステージ端に登場し、深々とお辞儀をして感謝を表現するマット。
1時間じゃ全然足りなかった。そして、このライブで得た大興奮は、一体どこに向けたらいいんだろう!初来日のインパクトは充分。また更に力強くなった彼らのライブを、日本でまた見られる日を心待ちにしたい。