LIVE REPORT GREEN STAGE 7/30 SUN

RON SEXSMITH

Evergreenなメロディと共に

今年のフジロック最終日のグリーン・ステージ、トップバッターはカナダのシンガー・ソング・ライター、ロン・セクスミス。時々雨がぱらつく曇り空の下、少しずつではあるがモッシュピットエリアに人が集まり始めている。ステージMCの紹介から、ロンが気心知れたバンド・メンバーたちと登場した。

今年4月にリリースされた新作『The Last Rider』は、バンドのメンバー全員と制作された、ロンにとって新しい制作アプローチの作品である。そのバンド・メンバーは、ドン・カー(Dr)、ジェイソン・マーサー(B)、デイヴ・マセソン(Key)、ケヴィン・ラクロワ(Gt)の4人。ドラムのドンに関しては、ロンの長年の親友であり、音楽コラボレータでもある。ゆえに、今回のライヴの注目ポイントとしては、これまで生まれてきた数々の名曲たちと新作の曲がどう混ざり合い、どう聞こえるのか。そこにあった。

新作の1曲目を飾る“It Won’t Last For Long”からライヴは始まった。楽曲制作から共に演奏含めやってきたメンバーで演奏していることもあり、ライヴにおけるバンドサウンドとしてもすでに完成されている。新曲のバンドありきで作られた楽曲たちが素晴らしい存在感を発揮する中、これまで世に出た数々の名曲たちが、長年聴き続けているファンのエモーションをもう1段階も2段階も上げる役割を果たしている。“Late Bloomer”、“Thinking Out Loud”、“Secret Heart”、“Not About Lose”、そして“Secret Heart”の時にはとびきり大きい歓声が上がっていた。そして、約1時間のライヴは“Tell Me Again”で終演を迎えた。

ロン・セクスミスはこれからも愛すべきメロディの歌と共に、変わらず僕らのそばにあり続けるだろう。
新曲“Evergeen”の歌詞にこんな一節がある。

“どんな変化が起きようと、僕らが変わることはない
寄り添っている限り、二人は永遠さ”

そう、ロンと僕らの間に、名曲たちが有り続ける限り、僕らは永遠だ。

<セットリスト>
It Won’t Last For Long
Late Bloomer
Breakfast Ethereal
Thinking Out Loud
The Idiot Boy
Evergreen
Saint Bernard
Radio
Secret Heart
West Gwillimbury
Whatever it Takes
Gold in Them Hills
Get in Line
Not About to Lose
Tell Me Again

 Photo by 平川啓子  Text by 若林 修平 Posted on 2017.7.30 11:00