SPECIAL GUEST : G&G Miller Orchestra plays Elvis Presley
この時間がずっと続けばいいのに
終わりたくないという感情が押し寄せてくる。何度もおこなわれたアンコール。もう新しい曲もないから先ほどやった曲をもう一度やる。それでもいいのだ。ステージ前に残っているお客さんたちの楽しみぶりをみて、日高社長が直々にメンバーたちに呼びかけて、アンコールをやってしまう。このかっちりしてない感じがフジロックなんだなと思った。
去年も出演したG&Gミラー・オーケストラは、今回エルヴィス・プレスリーを取り上げる。トリビュートバンドがたくさんでたフジロックを締めくくるのにふさわしい。
ヘッドライナーのビョークが終わり、帰る人、ホワイトステージに向かう人、レッドマーキーに向かう人がいる中で、グリーンステージに残っている人もかなりいる。ビョークが終わって50分くらい経ち、まず日高社長がみんなに残ってくれと呼びかける。
そして、フロント・ページ・オーケストラやビッグ・ウィリーズ・バーレスクが合体したビッグバンドが登場し、リハーサルをおこなう。「A列車で行こう」が流れる中、クリス・ペプラーが登場してバンドを紹介する。まずはグレン・ミラー「ペンシルバニア6-5000」で始まる。そして、エルヴィス・プレスリーのモノマネ芸人、アービー・ガスコンによるプレスリーのショーが始まる。曲は「監獄ロック (Jailhouse Rock)」アービーの衣装はそれに合わせてちゃんと囚人服を着ている。「冷たくしないで (Don’t Be Cruel)」「シェイク、ラトル・アンド・ロール(Shake, Rattle and Roll)」「ハートブレイク・ホテル (Heartbreak Hotel) 」とロックンロールの曲が続く。今回はオーケストラがキレッキレでノリもよく、アービーの声も演奏に合っていてプレスリーの世界を作っていた。
グッとペースを落として「ラヴ・ミー・テンダー (Love Me Tender)」でムーディーさを演出する。クライマックスなエンディングもビッグバンドならではのアレンジで今回はすごくよかった。
アービーが一旦引き、残ったバンドがカウント・ベイシーの「ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド(Jumpin’ at the Woodside)」を演奏してから、革ジャンに着替えたアービーが再びステージへ。「ブルー・スエード・シューズ (Blue Suede Shoes)」、初期の曲じゃないけど「サスピシャス・マインド(Suspicious Minds)」、またロックンロール時代に戻って「アイ・ウォント・ユー、アイ・ニード・ユー、アイ・ラヴ・ユー(I Want You, I Need You, I Love You)」「アイ・ニード・ラヴ・トゥナイト(I Need Your Love Tonight)」「ハウンド・ドッグ (Hound Dog)」と続けた。ロックンロールでお客さんたちは踊る。
一応の最後は、グレン・ミラーで「ムーライト・セレナーデ(Moonlight Serenad)」。そして、出演者一同及び日高社長などで、客席をバックに記念撮影をする。しかし、そこでおさまらず、残っている多くの人たちがアンコールを求める。
すると「ブルースウェード・シューズ」と「ラブ・ミー・テンダー」を演奏。こういう時間が愛おしいのだ。まだ離れたくない。そして再び日高社長がアンコールを指示して「アイ・ニード・ラヴ・トゥナイト」でようやく最後だった。