フジロックのお祭り男! ヘブンに登場!!
前夜祭に引き続き、晴天に恵まれた初日。茹だるような暑さの中テントから這い出た人と、リストバンド交換の長蛇の列をクリアして満を持して会場入りした人、朝まで飲んで前夜祭の興奮覚めやらぬ人、いろいろな人のさまざまな興奮が会場内を立ちこめていた。そんな中ついに始まったフジロック本戦。フィールドオブヘブンの一発目に登場したのはザ・トロージャンズだ。今年のフジロックはトゥーツ・アンド・ザ・メイタルズにザ・スペシャルズとスカが大爆発する。その幕開けと言わんばかりに12:00ぴったり、メンバーがステージに登場した。
フジロッカーにとっての番長で、フジロックの顔と言っても過言ではなく、今は亡きジョー・ストラマーと並んでフジロック盛り上げ役のギャズ・メイオール率いるザ・トロージャンズ。ステージにあがるや否や客の歓声があがった。演奏が始まるとオーセンティックな雰囲気に包まれる。一発目だろうがなんだろうが、音を出した瞬間に空気を変えるところはさすがだ。2曲目にはおなじみの”Ringo”が始まりさらに客の大合唱が始まった。この大合唱こそがフェスの醍醐味だと僕は思う。ああ、今年も帰ってきたぜ!フジロック!!と思わずにはいられない。
さて、この日のギャズの格好はというと、ユニオンジャック柄にスパンコールのジャケットというど派手な衣装。中盤では、そのジャケットを脱ぎ捨て、おなじみのサスペンダー姿になりスカダンス。客も負けじとダンスダンスダンス。オイ・スカのようにアップテンポではないオーセンティック・スカにより、ゆるーい空間が広がってとてもピースフル。ここは本当に天国だったのだ。中盤戦、ギャズの紹介により、登場したバグパイプのアントン。アントンが一吹きすれば、もうここはスコットランドだ。バグパイプの音色とザ・トロージャンズの演奏はそこに居た全員を取り囲み、みんなを幸せにしているようだった。客がみんな笑顔で踊っていたのがとても印象的である。ザ・トロージャンズの演奏は、オフィシャルだとこの一回で終了。だが、ギャズの事だからきっとどこかで踊っているに違いない。そう期待して深夜のパレスオブワンダーとか覗いてみるのもいいかもしれない。
THE TROJANS
写真:北村勇祐 文:丸山亮平