若き天才が見せた、もう1つの顔
つい先ほど、ホワイトステージで圧巻のライヴをしたJAMES BLAKEが、今度はプラネットグルーヴに登場だ。明日は韓国の芝山バレーロックフェスティバルに、THE STONE ROSESやRADIOHEADと並んでヘッドライナーとして出演するのに、まだライヴ(DJだけど)をするなんて、若いって恐ろしい…。否、若いって素晴らしい!オレンジコートではオールナイトフジ MEGA-10が行われているにもかかわらず、お客さんがぎっしりとレッドマーキーに詰めかけている。それだけ、彼は今の音楽シーンにおいて注目の存在なのだ。
自身の楽曲のリミックスをかけるのかな、なんて甘い考えのもとで聴いていたら、選曲される曲がジェイムズ・ブレイクの趣味の世界そのもの。序盤からNU BRAND FL EXXの“2000 Nu Brand”や、RIKO DAN の“Woo Freestyle”など、ヒップホップの曲をかけちゃって、ブレイク青年…こちとら、かなり面食らいましたよ…。
中盤以降もファースト・アルバム『James Blake』の世界観とは異なるような、SCREAMの“Glamma”、DJ ROC の“One Blood”といった、かなりダークな感じの曲がスピンされる。彼が演奏する音と、全くもってかけ離れたDJなのだけれど、みんなをちゃんと躍らせているので、そこは天才たる所以なのか。
終盤に入ってから曲調がガラッと変わり、自身の曲である“Air And Lack Thereof”のリミックスをかける。さらに、MALAの“Cuba Electronic”や、HINDZY Dの“Target”を投下してレッドマーキーを盛り上げていく。ようやく「これだよ、これ!」とみんなが待っていた感じの選曲になってきたのに、SAM COOKEの“You Were Made For Me”とSTEVIE WONDERの“As”をかけて終わってしまった…。まぁ、若人には明日もライヴが控えているので、今回はこれでよしとしましょうか。本音を言えば、物足りなさがあるけれど、大器の片鱗を随所に見せてくれたのには違いない。
JAMES BLAKE
写真:加藤智恵子/文:小川泰明