眠気をブッ飛ばすビート・サウンド
良い子が寝る時間はとっくに過ぎ、もう朝がやってこようかという時間に登場したのは、「fujirockers.org」の事前インタビューにも答えてくれたeli walks (イーライ・ウォークス)だ。昨年の『SonarSound Tokyo』でもDJをし、今年はフジロックに出演と、着実にステップアップをしている期待の若手ミュージシャンである。
eli walksという名前は、彼が昔やっていたメタルバンドの名前なのだが、レッドマーキーにはAUTECHREをさらにハードにしたサウンドが鳴り響いており、DJとなった今でも、メタルの要素が残っていることを感じさせる。この時間まで遊んでいる人は、たくさんはいないのだが、眠そうに踊っている人は一切いないのが印象的だ。
ファースト・アルバムの『Parallel』からの楽曲が披露されていたが、とりわけ“Moving”が流れた瞬間の甚だしいイントロは、レッドマーキー後方で寝ていた人たちの目を覚ましたのではないだろうか。フジロック初日の勢いを減速させることなく、夜明けまで盛り上げ続けた日本の新しい才能に拍手。あっぱれeli walks!
写真:加藤智恵子/文:小川泰明