あのWARPが契約したということで注目を集めているブルックリン発の5人組ロックバンド、MY BEST FIENDが2日目のレッドマーキーに登場だ。Tシャツとジーンズというラフな装いで登場し、両手で歓声に応えながら自分の持ち場へ。そして、ヴォーカルが「ありがとう フジロック!」と出演の喜びをまず会場に伝えてから、演奏をスタートさせる。
オープニング・ナンバーはデビュー作『In Ghostlike Fading』でも最初を飾る”High Palms”。甘美なメロディ、そしてあどけなくも力強い歌声がレッドマーキーに響き渡り、叙情的なキーボードが懐かしくもきらびやかな彩りを与える。ピュアで真っ直ぐな、けれども柔らかなサイケも内包したちょっと不思議なサウンド。本日、同ステージのトリを飾るSPIRITULIZEDに通ずる部分もあるように感じた。
その後は“Cracking Eggs”でギター・ノイズが激しくなることもあったが、 ”In Ghostlike Fading”や”Jesus Christ”といった曲を披露し、会場をゆったりと包み込んでいく。切ない哀愁を醸し出す演奏に優しく歌い上げていくヴォーカルが重なったときは。胸にジーンと来るものがあった。ラストは”Odvip”で再び轟音を繰り出し、盛り上がりを見せて終わった。
中でも驚いたのは、ライヴの中盤を過ぎるとトートバッグをプレゼントと言わんばかりにギタリストやベーシストが会場に投げ込んでいたこと。終演後にも再びトートバッグを投げ入れるサービスはあったが、Twitterで検索したところ、あのバッグの中にはTシャツが入っていたとか。彼等に昼間から幸せをわけてもらえた方、羨ましい限りです。
写真:熊沢 泉 文:伊藤卓也