いやー、四年ぶり。え?オリンピックじゃあありませんよ?四年ぶりなのは、アスパラガスのニューアルバム『PARAGRAPH』のリリース。そしてなによりも、彼らのフジロックでの、ライブ!前回の08年、ホワイトステージに登場した彼らは今年、フジロック二日目朝イチのレッドマーキーに登場してくれた。
「ホントこんな朝早くからこんなに集まってくれると思わなかったから。ホント!みんなチョーいい奴です!いいヤツ!いいヤツ!いいヤツいいヤツいいヤツ!」と、朝イチからすでにテンションの高いボーカル&ギターの渡邊忍(通称しのっぴ)同様に、一曲目の”Analog Signal Processing”からフロアもいきなりクラウドサーフの嵐!お客さんもテンション高い高い。
四年ぶりにフジロックに登場してくれた彼ら。「その時初めて出れてね!夢が叶ったってことで…ステージの上で解散しちゃう?みたいな(フロアのファン大苦笑!)。…でもやっぱり、続けてて良かったね。」そう渡邊が当時を振り返りつつ、ベースの原にMCを振ると、「チョー嬉しい!」と四年しばりの五輪ワードが繰り出され、お客さんも大笑い。
「今まではエレキギターで、オーヴァードライヴで、ギャンギャンやって。ひずんだ感じで。でも今は、アコースティックギター持ってるわけよ。だけど!アコギだとほのぼのしちゃいそうだけど、森に包まれた、森の妖精呼びます今から、みたいなね(笑)。でも違うのよ俺たち!すんごいこれ(アコギ)、かきむしっちゃう!エッジーなリフがザックザク入っちゃうから!ザクザクいくよ?かきむしっていくよ?でもね、もし蚊が飛んできたら、こっち(顔&身体)かきむしってから、こっち(アコギ)かきむしるから!ちょっと音なくなっちゃったりするけどごめんね!…いきます!(笑)」。
ひょうひょうとした笑顔でそう言いながら渡邊がギターをアコースティックに持ち帰ると、四年前のホワイトステージで一曲目だった”Dead song”から再びエレキ同様の怒涛のギター・サウンドを展開する。次々と最前柵へと送り出されるクラウドサーファーたち。もうすでに、柵に近づいた時点で屈強なセキュリティにもぎとられている感じ。もちろんもぎたてのお客さんの表情はフレッシュそのものだ(これはもう冗談抜きで!)。
ラストは”SILLY THING”、”MEND OUR MINDS”、”FALLIN’ DOWN”の三連発で一気に駆け抜けた。ライヴ後半、再び渡邊はバンドを続けていて良かったと語り、メンバー全員嬉しそうに見えた。彼らにとってフジロックのステージは本当に大切な存在なのだろうと思う。そしてそれはきっと、お客さんにとっても。
ASPARAGUS
写真:直田亨 文:小田 葉子