レッドマーキーを魅了した脅威のイケメン
16時を過ぎ、雲行きが怪しくなっている。一雨降りそうな感じだが、気温も下がってきて過ごしやすくなっているし、この天気のまま夜までいってほしいところ。そんな不安定な苗場の天気とは対照的にTHE HEART BREAKSはメンバーの平均年齢が23歳と若いのにもかかわらず、どの曲も抜群の安定感でライヴをしてくれた。
ライヴ前からイギリス国旗がちらほらと振られている。今年のフジにはたくさんのUKバンドが出演しているが、今後のUKシーンを支えていくであろうバンドのひとつに挙げられるのがTHE HEART BREAKSである。アルバム・デビュー前にも関わらずMORRISSEY、CARL BARAT、HURTS、THE VIEWなど、そうそうたるアーティストの前座に抜擢されていることからもその期待がうかがえるだろう。初来日がフジロック!なんてなった日にはUK音楽好きにとって見逃せないわけで、レッドマーキーには多くの人が詰め掛けている。
ヴォーカルのマシュー・ホワイトハウスがものすごいイケメン。女の子がここまで詰め掛けたマーキーを見たことがないし、登場するやいなや黄色い声援が飛び交っている。バーバリーのモデルを務めるほどの美男子で、それでもってUKの音楽シーンの未来を担うバンドのフロントマンだなんて!すごすぎるよ、マシュー。ちなみに、他のメンバーもイケメンなので要チェックだ。
ファースト・アルバム、『Funtimes』の楽曲たちをテンポよく演奏していく様子は、もう大物バンドさながら。ライヴとCDを比較するのは野暮なことだが、このバンドは絶対ライヴバンド。音の厚みがぜんぜん違っている。マシューが「みんなに踊ってほしいな」と言って演奏した“Delay, Delay”ではマーキー全体で手拍子が起こり、ラストの“I Didn’t Think It Would Hurt To Think Of You”はダイヴが起きるほどの大盛り上がりで、数え切れないほどの手が挙がっていた。
若手バンドのライヴにおいて会場全体で拳があがることなんて珍しいが、すでにスタジアム級のアンセムを持っている彼らにそんな常識は通用しなかった。ライヴ中に彼らが唯一見せた新人バンドらしさは、「観に来てくれて、ありがとう」と丁寧にお辞儀をする謙虚な姿くらい。今度、フジでライヴをやるときにはもっと大きいステージになっているはずだ。