3時間耐久レース
予告されたタイムテーブルでは3時間。過去フジロックでジャム系バンドであれば、これくらいの長尺ライヴはあったけれども、やっぱり3時間は長い。通常の単独ライヴでもあまりないことだ。20時6分ころスタート。明るく軽快な感じで始まる。フィールドオブヘブンはそこそこのお客さんの入り。人がぎっしり入っていたわけじゃないので、適度な空き具合がソールドアウトの会場の中でもまさにヘブン。飯もあまり待たずに買えるし、ヘブンならではの休憩スペースもある。
スティーヴ・キモックの滑り出しはそうしたヘブンにピッタリのマッタリ感だった。キーボードにPファンクを支えたバーニー・ウォーレル迎えているのが今回の目玉である。過去の来日公演のように超絶技巧なドラマーがそのテクニックを披露するほどではないけれども、ベーシストと共に、しっかりとスティーヴを支える。
20時半ころ、ちょっとファンキーになったかなと思ったら、ギターがビートルズの”カム・トゥゲザー”のメロディを奏で始める。こうした出だしで、ファンクあり、レゲエあり、ゆったりとしたバラードありで、少々ポップな味付けもあり、明るく開放感のある演奏がヘブンを作り出した。再びファンクっぽくなって、今度はバレット・ストロングの作品でビートルズで有名な”マネー”が演奏される。
21時25分ころハードなリフを弾き、バーニーがヴォーカルを取る曲を演奏したあと、21時33分ころスティーヴが休憩を告げる。21時52分ころ再開。第二部の始まりはアンビエントっぽいもので、それが徐々に盛り上がっていく構成のもの。そしてまたレゲエあり、カリプソ的な明るくポップな感じもあり、ファンクあり、ドラムソロあり、再びバーニーがヴォーカルをとる曲ありとバラエティ豊か。23時2分ころ終了。しかし、すぐにアンコールを求める声があり、再び登場してボブ・マーリーの”ゲット・アップ・スタンド・アップ”をカヴァー。こうして長いライヴを終えたのであった。
STEVE KIMOCK
文:イケダノブユキ・写真:北村勇祐