苗場からアダム・ヤウクに届けたメッセージ
大方の予想通り、OL KILLERと電気グルーヴを聴きに大量の人が押しかけたようで、BUSY Pをみに行こうとしたのだが、ありえない人がマーキーから出てくる。こりぁ、あぶない、あぶない。若干、命の危険を感じましたよ…。みなさん、助け合いの精神を忘れずにいきましょうね。人がたくさんいる時は、椅子くらい畳みましょうよ。
そんなこんなで、ようやくマーキーに到着。前のアクトの勢いを引き継ぎ、相当盛り上がっている感じで、クラブによく足を運ぶような、派手なお兄ちゃん、お姉ちゃんが勢ぞろい。光るグッズを持っている人もたくさんいて、パーティーに来たかのよう。それとは正反対にBUSY Pことペドロ・ウィンターは、黒いジャージ(JUSTICEの文字が入っている)というラフな出で立ちでそのギャップが面白い。
中盤、SISCER SISTERS の“Any Which Way” に、CARTE BLANCHEの“Gare Du Nord”をマッシュアップさせ、さらに熱を上げていく。さすが、JUSTICEやUFFIEを擁するレーベルのボスだけあって、ここぞとばかりに燃料を注入していき、THE RAPTUREの“How Deep Is Your Love”では、歌詞の「 Let me hear that song」の合唱をあちらこちらで引き起こす。また、DIGITALISMの“Encore”に自分の声をのせ、「フジロックに来るのが初めてだ。みんなが俺のことを愛してくれているのがわかるぜ」とフジに出演できたことへの感謝を伝えていた。
最後の曲はなんとJAMES BLAKEの“Limit To Your Love”で、その選曲にも驚かされたけれど、ハイライトは間違いなく、フジロッカーの想いがアダム・ヤウクへ捧げられた瞬間だろう。終盤、BUSY Pから「みんな、BEASTIE BOYSはわかるよな!」と言われ、“Intergalactic”が流れだした瞬間の歓声はすさまじかった。そして立て続けに、“Sure Shot”という反則技!!! 苗場から贈られた「You Can’t, You Won’t And You Don’t Stop」という声は、きっとアダム・ヤウクに届いたはずだ。
BUSY P
写真:府川展也/文:小川泰明