暑い暑い今年のフジロック。最終日もちょっと雲が見られるもののやっぱり暑い。こんな炎天下、ちょっと涼みに入った筈のレッド・マーキーで、熱いライブを繰り広げてくれたハウラー。大型新人の彼らにフェスティヴァルのことなど、あれこれ聞いてみました。
–フジロックにようこそ!今年2回目の来日だけど、日本や日本のファンの印象はどう?
ジョーダン(以下J):日本のファンは世界一ナイスだと思うよ。親切で、ライブも一緒に盛り上げてくれたし。前回、僕たちはバレンタイン・デーにライブをしたんだけど、沢山のチョコレートやキャンディをプレゼントされたんだ。アメリカのバレンタイン・デーは男女どちらもプレゼントを贈る日だけど、日本は可愛い女の子達からトラックで運べそうなくらいプレゼントを貰って、「よっしゃ、俺たち日本でイケテル!」って思ったよ(笑)。
–全部食べきったの?
J:いいや(笑)。 甘い物は好きだけどさすがに全部は食べきれないからアメリカに持って帰って家族にあげたりしたよ(笑)。
—さて、フジロックのお客さんは「フジロッカーズ」と呼ばれていて、とても熱心なフェスティバルファンで、色々なフェスに行きます。あなたたちもデビュー前にお客さんとしてフェスティヴァルに行ったことはある?
J:初フェス体験は17歳で、ロラパルーザへ行ったんだ。僕たちはミネアポリスに住んでいて、シカゴまで行って3日間滞在したんだ。スケールの大きさに圧倒されたね。アーケイド・ファイアや僕の大好きなディーヴォを見たよ。シカゴは都会だからキャンプではなくて友達の家に滞在したんだ。
–フェスティヴァルでの失敗談やエピソードなどありますか?
J:ロラパルーザに行った時だね。初めてのフェスティヴァル体験だったのでちょっとクレイジーになってしまって、朝から晩までパーティー!って感じに大騒ぎしまくった揚句、最終日の夜に近くのアパートによじ登ってさ。明け方4時にだよ。で、屋上で叫びだしたりして、住人にめちゃくちゃ怒られて、ちょっとワイルドになり過ぎちゃったな。これが僕達の初フェス初失敗談だよ(苦笑)
–今日はフジロック最終日ですけど、ワイルドになり過ぎないで下さいね!
J:ああ〜〜、そうだね。気をつけなくちゃ。暴走したらマックス、僕を止めてね(笑)
マックス(以下M):ああ、わかったよ(笑)
–ところで、フジロックに来る前に、オーストラリアのスプレンダワー・イン・ザ・グラスに出演しましたよね。どうでした?
M:素晴らしかったよ。
J:スプレンダワーで僕たちは初めてメイン・ステージでライブをやったんだ。
M:これまで経験したこともないくらい沢山の人達の前で演奏したね。
J:ザ・シンズ、アット・ザ・ドライブ・イン、ジャック・ホワイトの前の演奏だったんだ。僕は普段ライブの前にナーバスにはならないんだけど、今回はステージ脇から莫大な数のお客さんを見たら「ああ〜もうどうしよう〜」ってめちゃめちゃ緊張したよ。
M:いままで見た事もないくらいの数だったんだ。
J:で、僕たちのライブの時にクレイジーな女の子をステージに上げちゃってさ。
M:その女の子はステージ上で言いたいことがあるって叫んでいたんだ。
J:そうそう。「私をステージに上げて!お願い!」って叫んでいるから、ステージに呼んだらマイクを奪い取って、訳のわからない叫び声をあげ出して(と、シャウトしてみせる)。で、セキュリティが抱え出して、おしまい(爆笑)
–ワイルドですね。日本のファンは礼儀正しいから、今日のステージではそんなことは起こらないと思います。
J:そうだね。わかってるよ。その彼女はちょっとおかしかったけど、まあ、それはそれで楽しめたね。(笑)
–お客さんから出演者、と立場が変わってどんな気分ですか?違いはありますか?
M:そうだね、違いはあるけど・・・。
J:うーん、どうだろう。確かに今はバンドの立場でフェスティヴァルでプレイするからあちこち歩き回ったり出来なくなってるけど、いち音楽ファンの自分もいるんだ。例えば今回のスプレンダワーでも、ジャック・ホワイトを見かけて、もの凄く興奮してしまったし。今はそんなプロのミュージシャンと音楽ファンの気持ちが色々と混ざっている状態だね。自分たちが尊敬するミュージシャンと同じステージに立つって、ちょっとシュールな気分だよ。
–なるほどー。ところで、ここ苗場には夕べ到着したの?
M:午前1時頃ここに着いたんだ。
−では、まだホテルでしかごはん食べていませんね。フジロックは、ごはんが美味しいフェスティヴァルでもあるんです。是非食べてみてください。
J:ほんと?ぜったい行くよ、日本食試してみるよ。前に日本に来たとき不思議なものを食べたよ。発酵した豆?ナットウっていうの?へんな匂いがしたけど、好きだよ(笑)
M:知らない食べ物を試すのが好きなんだ。
J:そうだよ、マックスは初めての物でもまずは食べて見てから、てなんでも食べちゃうのさ。
M:だってどんな味がするのか試してみるのって楽しいじゃん(笑)。だから、ライブが終わったらレストランエリアに行って片っ端から食べてみるよ(笑)
−今日、なにか見てみたいアーティストはありますか?
J:レイ・デイビスは是非見たい。ザ・キンクスが大好きなんだ。
M:エルヴィス・コステロ。
J:僕たちの出るステージにジャパンドロイズ出なかったっけ?
M:今、まさにやっているところだよ(注:インタビューは午前中に行われました)
J:ああ、そうか・・・。とにかく出来るだけ沢山見たいね。
−もし「ハウラー・ロック・フェスティヴァル」をオーガナイズ出来るとしたら誰を呼びたいですか?解散したバンドや亡くなった方でもオッケーです。
J:ソルジャ・ボーイ
M:ビージーズ。エルヴィス・プレスリー
−ちょ、ちょっと古くないですか?!
M:クラフトワーク
J:そうだ!クラフトワークは絶対だ。
M:ラッシュ(LUSH)は?
J:ダメだよ、ラッシュはダメ!(笑)。あとワイヤー。格好いいよね。それとニュー・オーダーも欠かせないな。
−何か、80年代くらいのアーティストが多いですね。
J:うん。70年代後半から80年代前半の音楽が好きなんだ.僕らはギーク(オタク)だからね。
−では、最後にフジロッカーズにメッセージをお願いします。
M:なんて言おう・・・。僕たちと一緒に山登りしましょう。
J:そうだよ!僕たちを山登りに連れてって下さい(笑)
M:あと、レストランエリアのフードツアーにも連れて行って(笑)
J:そうだそうだ。
−ライブの時にファン達にお願いしてみたら?
J:山登りの達人募集!
M:フェス飯の達人と山登りの達人募集!(笑)
−そんなメッセージで良いんですか?
J:確かに、メッセージというよりはフジロッカーズへのリクエストになっちゃったなあ(笑)
と、いった感じでよくわからない終わり方をしてしまいましたが、この後、写真撮影、と思い良さげな場所をこちらが探していたら、ジョーダンとマックスも一緒に来て、ちゃっかり女性用キャンプサイトに侵入してしまいました。この間も「山登りしたいよー。」と言い続けていたふたり。ここの風景はかなり新鮮だったようです。その後、ゴンちゃんバッチをプレゼントし、ポーズを決めてもらいました。