GREEN STAGE, | 2012/07/29 11:30 UP

JAPANDROIDS

怒りではなく、喜びを表現するようになった音楽

ステージに登場するやいなや、開口一番「アリガトー」とブライアン・キングス(Gt,Vo)が初来日できたことへの感謝を述べた。「イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、ヒチ、ハチ、キュー、ジュー」と日本語で10カウントを数えて“Adrenaline Nightshift”からスタート。ステージ上には6台のマーシャルアンプがでかでかと積まれており、音の大きさがすさまじい。そのまま、“Younger Us”に流れ込み、お客さんたちを轟音の世界へ誘う。

3曲目、“Fire’s Highway”が始まる前に機材トラブルが起きたのか、ライヴが少し止まってしまった。せっかく、勢いあるスタートを切れたのに残念でならない。しかし、そこからは疾走感溢れる“Wet Hair”、SONIC YOUTHを彷彿させるような“The Nights of Wine and Roses”と演奏し、徐々に勢いを取り戻してきた。レッドマーキー全体にブライアンの渦巻くようなギターの音が心地よく響きわたる。テンポの速い曲が続いたので、デヴィッド(Dr,Vo)のTシャツも汗でびしょびしょに。

ライヴの定番曲でもある“The House That Heaven Built”では、サビの部分の「Oh!Oh!Oh!Oh!」と合唱が起こり、歌い終わりには丁寧に「アリガトー」とブライアンから言われる。本当に嬉しそうな二人を見るとこちらまで嬉しくなってくる。“Evil’s Sway”では、二人の息がバッチリ合った演奏をみせてくれ、この日のライヴのハイライトであろう、“Young Hearts Spark Fire”ではブライアンの雄叫びがすさまじく、フロントピットから後ろの方まで、多くのフジロッカーの拳が突き上げられていた。

怒りのはけ口として音楽を演奏していたかつてのブライアンとデヴィッドの姿は影を潜め、音楽に対する愛、自分たちが日本で演奏できることへの歓喜を謳ったライヴであった。また、最新アルバム『Celebration Rock』からの選曲が多く、最新作が最高作だ、という攻めの姿勢が随所にみられ、彼らの今後がますます楽しみである。


写真:Julen Esteban-Pretel/文:小川泰明
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