問答無用で黒一色のセルフレーム。これだけの条件が合えば、おじさんという称号を与えてもいいだろう。ただし、おじさんには、ちょい悪的なハイセンスなオシャレは一切不要。
そんな夢を叶えてくれるおじさんが、最終日夕方に差し掛かるレッドマーキーに登場した。思っていたよりもちょっと小柄で、おじさん具合の安定感たるや。歌声は逆におじさんからのキョリが少しある。”トゥットゥル〜トゥットゥットゥッル〜〜〜”おじさん×おじさんのハーモ二ーは軽快に、ギターを操る姿は少しダサめでちょうどいい。おじさんのポップソングはベース、ドラムに支えられ、エッジのきいたロックと、ポップの融合が目の前で繰り広げられた。
確か、数年前のグリーンマンフェスティヴァルlでゴハンを食べながら観たのが、M.Ward。若い子〜おじさん、おばさんな幅広い世代に喝采されていて、こういうアーティストこそが日本に来てほしいと思っていた。そして今日、その願いが叶った。正直なところ、ぎっしりとまではいなかった。外国人率がとっても高かった。決して難解な音楽なんかではなく、日本でも受け入れられるはずだ。きっと日本ではM.Wardのような音楽を知るチャンスが少ないだけなのだ。もっともっとこういうアーティストが日本でもいろんな人の耳に入り、心へ届き、評価され、賞賛される日が来ますように。
写真:熊沢 泉 文:ヨシカワクニコ