オレンジコートで最後の楽しいお祭り騒ぎを
グリーンステージでRADIOHEADがほぼ同時刻に演奏を始めようというさなか、オレンジコートでは渋さ知らズのメンバーがサウンドチェックを始めていた。今年5月にはクラシックの祭典「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」に出演し新たな境地に立ったともいえる彼らだが、ホームであるフジロックではどのような演奏をみせてくれるのだろうか。
「そのままいっちゃいます」サウンドチェックが終わってすぐにダンドリストの不破大輔がそういうと”本多工務店のテーマ”がゆるやかに始まる。メンバーのソロパートではそれぞれ力いっぱいの演奏を聴くことができたが、特にRIZEのベーシストKENKENのチョッパー炸裂のソロが渋さ知らズのこれまでにないようなテイストで印象的だった。
銀色の龍のバルーンが上空を舞いながらCHARAのカバーで”Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜”、それから「僕のアイドルを紹介します」と言ってピラミッドガーデンで3日間ライブを行ったSANDIIを迎えて数曲が演奏される。SANDIIがステージから去ると始まったのは昨年フジロックに出演したYMOの名曲”ライディーン”。それと同時にダンサーのペロとさやかがグリーンのウィッグにオレンジの麦わらテンガロン、カラフルなフリンジのワンピースというセクシーな姿でステージに飛び込んでくる。その後、玄界灘法被にねじりハチマキ赤フンドシといったおなじみの格好で「レディオ知らズでございます!」と渡部真一が登場すれば、これで役者は揃った!とばかりに後半戦を突っ走る。
“股旅”でが不破が客席に向かって指揮をとれば、ステージも客席も巻き込んでの大合唱。”ナーダム”では客席前方はひっちゃかめっちゃになりながらの大騒ぎ。客席も巻き込んでのお祭り騒ぎが渋さ知らズの醍醐味でもあるし、渡部が言った「お客さんがフジロックを作っている」ということでもあるのだろう。「なぜレディオヘッドを見に行かないのか!」と笑いながら渡部は問いかけたが、その答えはきっとこの心の底から無条件に沸き上がる楽しい!ということを味わいたいからなのではないかと身を持って思う。
“仙頭”、”すてきち”と定番のシメの曲を演奏し、ステージからメンバーが立ち去ったあとも拍手がなりやまず、「普段はやらないんだけど、今日は怒られてもいい」とアンコールに突入。ライブ前半でも演奏された”Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜”がもう一度、なんと今度はCHARA本人とともに演奏しされ、オレンジコートの大トリは盛大に締めくくられた。
※一部氏名表記に間違いがありました。お詫びして訂正いたします。
渋さ知らズオーケストラ
写真:花房 浩一 文:名塚麻貴