炎!レーザー!今年はド派手!
オールナイトフジは23時に始まっていたのだけど、諸事情でオレンジコートに着いたのは0時30分だった。会場までのボードウォークは渋滞している(それは途中のライトアップを携帯で撮影しているせいもあるけど)。会場に着いたら着いた人がいっぱい。ここ数年のオールナイトフジは雨に祟られるというイメージがあったけど、今年は久々に天候に恵まれた。しかも、フジロックのチケット自体が金曜日にしては売れていたようで、いろんな状況が重なって人が集まったのだ。当然飲食も長蛇の列。最終的には午前5時の時点でほとんどの店が売るものがなくなって閉鎖された。ソフトドリンク類はその前に入手困難となる。
今回のテーマは格闘技ということで、事前にどんなことをやるのかを聞いてはいたものの、ここまで徹底していたとは思わなかった。ステージには赤コーナー青コーナー2つのDJブースがあり、プロレスのリングをあしらった3本のロープが張ってあって、その中にはLEDライトが仕込まれていていろんな色で光る。さらにレーザー光線が宙を舞い、フォトピットに火炎放射器が設置されていて、時折デカい炎が放射される。DJを紹介するアナウンスには、K1でもおなじみのレニー・ハートの声が使われているし、DJが始まるときにはスクリーンにゴングが映し出され、カーンと鳴るのだ。
着いた頃は、DJ EMMAがプレイしていて、大勢の人が踊っていた。続くDJ NOBUも引き継いで途切れさせない。DJ KRUSHがスクラッチのテクニックをみせつけて空気を変えるも気がついたら4つ打ちのバスドラムが鳴っていた。!!!KYONO+DJ BAKU!!!はディストーションの効いたヘヴィなロックを感じさせるサウンドを繰り出す。メタリカやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの曲もかかり、それまでとは異質な世界になる。だけど、これが長丁場のパーティーによいアクセントになった。
ケンイシイの登場前にブライアン・バートンルイスが黒い羽がいっぱいついている宝塚みたいな衣装で現れ、ケンイシイを紹介する。そこへタイガー・ジェット・シンみたいに悪役が現れ、サーベルでケンイシイに襲いかかる。そういう小芝居が繰り広げられたあとにケンイシイが回した1曲目が”炎のファイター INOKI BOM-BA-YE”だった。
明け方になってくると、お客さんも徐々に減るけれども、残ったコアな人たちはむしろ激しく踊っている。もちろん、地面に転がっている人もいる。そんな中で最後はDJ TSUYOSHIがえげつないほどハードなトランス回してお客さんの狂気はさらに加速していく。「最後はハードにしたい」と語ったブライアンの目論見通りだった。6時を過ぎて、ブライアンが登場し、最後の挨拶をして、TSUYOSHIがもう1曲回してオールナイトフジが終わったのだけれども、すぐあとにはドラゴンドラ上でアフターパーティーが控えているのだった。
オールナイトフジ・6時間レポート
写真:前田博史 文:イケダノブユキ