GREEN STAGE, | 2012/07/28 12:00 UP

LINDIGO

インド洋の孤島・レユニオンから届けられた「ROCK」

フジロックには、「先祖のうた」を歌ったり、祈りをささげるアーティストがやってくる。フジにて、私たちの記憶に強く残っているのが、前夜祭から登場し、Narasirato(Pan Pipers)だろう。

Che SudakaやOnda Vagaは、今後も見る機会はありそうだし、英米の音楽シーンとは別のラインで調べれば、いくらでも情報が出てきそうだ。彼らに着目し、ブッキングする経緯も、おぼろげながら見えてくるというもの。かたや、LindigoやNarasiratoは、情報を得ようにも、特別なアンテナを張っていなければ巡り会えない存在だと思う。

稀にやりとりをしているUKスタッフの日記には、たまに大自然が映りこんでいた。それも、孤島、ジャングルといった、「どうやって行くんだ?」というような場所だ。

ブッキングし、発表されても、誰も知らないという状況の中、勢い勇んで飛びでていったLindigoは、打楽器中心の、まるで人間の脈拍のようなリズムを繰りだした。その音楽は、アフリカ大陸のそばにあるマダガスカルのちょうど東に位置するフランス領レユニオン(島)で「マロヤ」と呼ばれている。時に電子音を絡め、時代にフィットする感覚も持ち合わせており、そこに先祖への想いなど、奴隷についての歌詞が乗せられている。「レベル」という意味では、スカやレゲエ、はたまたブルーズとなんら変わらない。

曲を知っていたり、一緒に歌えたりするものも音楽の楽しみのひとつだが、本物の音楽というのは、こちらが知らなくても揺さぶられるもの。フジロックが、「ROCK(揺さぶる)」という冠を外さない理由が、分かった気がした。


写真:岡村直昭 文:西野太生輝
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