苗食にビッグバンドがやってきた!
今日のメインアクトは、ちょっとした音楽好きなら誰もが知るスーパーバンド「オアシス」の兄ちゃん、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フラインング・バーズ。その裏のステージとなる苗場食堂ではどんなライブが繰り広げられるのか。そもそも、オフィシャルのタイムテーブルでは「スペシャルゲスト!!」としか書かれていない、このステージ。シークレットでもある。誰が出るともわからないライブより、見ておけば話のネタにもなって損はない、メインアクトに行くのが人の常。しかし、ワールドレストランへの道を塞ぐほどのたくさんの人々が、ステージ前に集まっていた。
いったい誰が現れるのか、何もわからぬまま登場を待ちわびていると、遠くの方からブラスバンドの音が聞こえてきた。ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンドだ。オアシスから苗場食堂のステージまで、演奏をしながらお客さんの隙間を練り歩き、メンバー8名が小さな苗場食堂にぎゅっと集まった。ギターのジェイク・エッカードは、ギターをシンバルに持ちかえての登場。スピーカーを通さず、演奏もコーラスも全てが生の音。苗場食堂の座敷へ出向いたり、お客さんに歌を求めたりと、一気に観客の心をつかんでいった。
期待していた誰かと違い、ステージを後にするお客さんも少なくなかったが、それでもここに残った人の全員が、笑顔で手拍子をとり、本当に楽しい時間を共有した。
約30分ととても短いステージだったが、あっというまに観客を魅了したバンドは、帰りも演奏をしながらの練り歩き。後を追いかける観客を従え、オアシスからレッドマーキー後方を通り退場していった。
写真:中島たくみ 文:manakov