ナラシラト・パン・パイパーズの後を引き継いだのは、国内唯一ともいえるSP盤(78rpmで回す、LP以前のフォーマット)を駆使してDJをする大川毅。彼は、DJというよりもスカ・フレイムスのサックス奏者として名が知れている。アナログ音源ならではのビチビチなノイズは、クリスタル・パレス・テントのゴージャスな雰囲気と混ざって、味わい深いものとなっていた。
スカ、ジャイヴ、スウィング、マンボと様々なジャンルに手をひろげつつも、ジャングル・ブギ(笠置シヅ子)、さいざんすマンボ(トニー谷)、お祭りマンボ(美空ひばり)といった日本の名曲たちを混ぜてくるスピンは、オーディエンスも聴き覚えがあるようで、上々の盛り上がりだった。
スカ・フレイムスのデビュー作をプロデュースした縁から「にぎやかし」として登場したのが、ご存じギャズ・メイオール。奇妙な踊りとヘロヘロなコーラスと一級品のMCで盛り上げれば、普段はクールな大川もくだけて、「30周年、おめでとーう!」とマイクを使ってギャズに対し、賛辞を叫んでいた。
旧き良きナントヤラなDJタイムが終われば、キティ、デイジー&ルイス。彼らもデータ音源全盛の今の時代にあって、SP盤の音源をリリースするマニアっぷりだ。まだまだクリスタル・パレスの熱狂は終わらない…。
写真:佐俣美幸
文:西野太生輝
JVC Cheers Neo with Chata & Miwa, presented by JVC Force TYO |