最終日の深夜パレスでは、「明日から仕事」と考える人と、「最後だから弾ける」という人の2種類がいる。名残惜しさは誰しもが同じ、されどこの日の小さなテントには、泣く子を黙らし、憂鬱を吹き飛ばし、耳の端に引っかかればその場を去ることをできなくさせるお祭りバンドがブッキングされていた。
パレスに入れば、その湿気に一瞬息が詰まる。それでもおかまいなしに突っ走るオゾに、フロアはかき乱されてあれよあれよと暴動の様相を呈する。バンドひとつでフェスティヴァルを体現してしまう彼らを最終夜に持ってきたのは、ある意味反則。日常を見始めたオーディエンスを再び濃ゆいフェスの世界に引きずり込み、場をたぎらせていった。
ジャンルの垣根を越えたオゾのパフォーマンスで、湿気まじりの熱気はさらに蒸したものとなって、テントの中に立っているだけでも汗ばむ状況になった。それでも、ゴキゲンな音とパフォーマンスはステップを踏ませ、夜は朝に限りなく近づいていった。
写真:佐俣美幸
文:西野太生輝
JVC Cheers Neo with Chata & Miwa, presented by JVC Force TYO |