前夜祭、木道亭に続き、初日にしてすでに3回目の出演となった、ナラシラト・パン・パイパーズ。木道亭ではTシャツ姿で登場したそうだが、今回は前夜祭と同じく顔と体にペイントを施し、伝統の衣装で登場していた。大小さまざまな葦(あし)の筒が組み合わせて作られた楽器たちは、それぞれベースライン、メロディラインと、役割が明確に分けられている。叩いて、吹いての人力ダンス・ミュージックの破壊力は抜群。いくら浴びても飽きないといった具合だ。
毎回セットを変えてきているようで、今回は、体全体を使ったダンスも披露してくれた。それはまるで、オール・ブラックス(ラグビーのニュージーランド代表。世界最強)が試合前に踊るダンスに似ている。自身の肌を叩き、足踏みをして祈りをささげるやつだ。クリスタル・パレスの小さなステージでは、その躍動と、足踏みから生まれくる振動が、文字通り「体を揺さぶって」くる。
曲ごとに、「これは〜の曲だ」と丁寧に説明してくれるし、煽りも上手い。日本ということで坂本九の”Sukiyaki(上を向いて歩こう)”をセットに入れてきたりとサービス精神にも溢れている。2日目も複数回の出演が予定されているので、是非とも見て欲しいと思う。世界に存在するまったく知らない音との出会いは、フジロックの大きな魅力なのだ。
写真:佐俣美幸
文:西野太生輝
JVC Cheers Neo with Chata & Miwa, presented by JVC Force TYO |