遅ればせながら、シアターブルック初体験が今年4月のリキッドへブン。その時に感じたのは、まるでロックの神様が舞い降りたかのように軽やかにステージに佇み、そして情熱的なサウンドをかき鳴らす佐藤タイジの瑞々しい存在感。ロックが大大大好きな人なのだろうと一目で分かった。
ロックなジャムサウンド”ツァラトゥストラかく語りき”で会場は一気にシアター色に染まる。2003年以来のフジロックの登場を待ちわびていたが歓喜し、会場を埋め尽くしていた。「フジは最高。これは絶対最高なんだからね!」と2年ぶりの復活を遂げ、苗場に帰還した佐藤タイジは喜びを表し、続く新曲”イカロスの大地”。ヘビーなリフが印象的だ。アフロヘアとサングラスがとてもよく似合う。そしてファンキーでノリのいい”ドレッドライダー”や新譜からの”お尻をひっぱたけ”など鳴りのいいギター音に惹かれているとあっと言う間に終盤へ。1時間ってちょっと短すぎはしませんか・・・!?
最後は名曲「まばたき」。彼の大きな口からこぼれる生々しくも鮮明な言葉の数々は聴くごとに耳を刺激される。リキッド・ヘブン、ナチュラル・ハイ、そして今回のフジロック、フィールド・オブ・ヘブンと回を重ねるごとにシアターブルックのよさを堪能し、ますます佐藤タイジのセクシーさに惹かれるのであった。
写真:岡村直昭
文:千葉原宏美