4月に恵比寿で行われたリキッド・ヘブンでは、まだ3ヶ月も先のフジロック当日の天気に祈りを込めたらぞくの演奏がとても印象的だった。彼らの祈りの甲斐あって2日目朝イチのフィールド・オブ・ヘブンは今日も晴れ。湘南・藤沢出身ということも繋がるのだろうか、太陽がよく似合うのだ。
らぞくは3人組のジャムバンド。ロックな要素やファンキーな要素もあるし、ポップなサウンドや歌ものだってある。リキッド・ヘブンで初めて見たときは、彼らをどう形容したらよいのか戸惑った。しかし、帰っても耳から離れなかったのは、ボーカルりゅうたの意外なまでも透き通った声。ヘブンの晴れ空に映えるらぞくの演奏が想像できた。
予想通り、彼らが自由自在にサーフする音楽が会場を包み、前日の疲労で気だるい午前の時間に爽やかな風を送りこんでいた。会場前方で踊る人をはじめ、座ってみる人、屋台で食事をとりながら見ている人たちも自然な感じでゆらゆらと体を動かし、2日目の朝のはじまりを迎えていた。
写真:岡村直昭
文:千葉原宏美